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ぼくの名前は、うま味!

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

ぼくの名前は、うま味調味料。

けっこう長い間、誰かの台所の片隅にいて、ひっそりと活躍している。けれど──ぼくがこの世界に生まれた日のこと、君は知ってるかな?

それは、1908年7月25日。

ある頭のいい博士が、昆布のだしの中にある“おいしい秘密”を見つけてくれたんだ。

「これは、ただの塩味でも甘味でもない。……でも、たしかに“おいしい”と感じる味だ」

その博士は、大学で教えていた先生でね。毎日だしの成分を研究して、ある日ふと気づいたんだ。

──この味の正体は、「グルタミン酸」というアミノ酸の一種なんじゃないかって。

そして、先生はその味に名前をつけた。

「うま味」ってね。

ぼくはその名前をもらって、この世界に生まれた。

のちに、ある薬屋さんが、ぼくの力に目をつけてくれて、製品にしてくれた。

ガラス瓶に詰められて、お母さんの買い物カゴに、台所の調味料棚に並んで、ぼくは静かに、でもしっかりと「おいしさ」のそばにいるようになったんだ。

「これをちょっと入れるだけで、だしのような深みが出るのよ」

「隠し味に使ってるんだ、ナイショだけどな」

「お味噌汁も炒め物も、なんだか“ホッ”とする味になるねぇ」

そんなふうに、いつしかぼくは、“魔法みたいな粉”と呼ばれるようになっていた。

けれどね、時代の風はときに厳しい。

一時は、「化学の味」だとか「自然じゃない」なんて言われたこともあったんだ。

正直、さみしかった。

だってぼくの成分は、トマトにも、チーズにも、母乳にだって、ちゃんと含まれてるんだよ。

“おいしさ”は、自然の中にも、ちゃんとある。

ぼくはそれを、ほんのちょっとだけ、お手伝いしてるだけなんだ。

でも、それでもいい。

ぼくはだれかの「おいしい」のそばにいたい。

家族の笑顔の食卓、子どもが「おかわり!」って言う瞬間、料理好きな人が「今日はうまくいった」と思える味。

ぼくの仕事は、きっと、そんな日常の中でこそ光るんだ。

いまでは、世界中で「UMAMI」って呼ばれてるんだって。

なんだか照れくさいけど、ちょっぴりうれしい。

ねぇ、きみの家にも──ぼく、いるかな?

きっと、何気ないその料理の裏に、そっと隠れてるよ。

ぼくの存在を知らなくてもいい。

でも、きみが「おいしい」と思ったその一瞬、ぼくは、きみのそばで、ちゃんと働いているから。

――ぼくの名前は、うま味。

世界に広がった、“第五の味”ってやつさ。


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