あたしの焼き色…あなたの記憶
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
ねぇ、覚えてる?
あたしの名前は、マドレーヌ。
ほら、小さな貝殻のかたちをした、甘くてふわふわのお菓子よ。
あたしがこの世に生まれたのは──フランス、ロレーヌ地方。
18世紀のある日、貴族の館で、急きょデザートを用意することになったの。
けれど、用意されていたはずの菓子職人は不在。
厨房はてんやわんやだった。
そこでひとりの若い娘が、
「わたしに焼かせてください」と名乗りを上げたの。
名を、マドレーヌ・ポルミエという。
家に伝わる、素朴なレシピ。
小麦粉、砂糖、卵、そしてバター。
それだけで焼き上げた、やさしい味。
彼女が手にしていたのは、ホタテの貝殻だった。
それに生地を流し込み、炉で焼き上げたの。
──それが、あたしの最初の“かたち”。
その香ばしい香りと、しっとりとした食感が、
貴族たちの舌をとろけさせたんですって。
「この菓子の名は?」と問われた彼女は、ただはにかんで、
「……わたしの名前で結構です」と言ったの。
──それが、あたしのはじまり。
あたしは彼女の“記憶”を、そのまま名乗っている。
時が流れて、名前だけが残った。
彼女の姿も声も、誰も知らない。
けれど、焼き色と香りの中に、あたしはそっと彼女を閉じ込めてるの。
ある日、ひとりの少年が、
「あたし」を一口かじって言ったの。
「なんか、思い出の味がするね」って。
……それはたぶん、
彼の“あたし”じゃなく、
お母さんの焼いたあたしなのかもしれない。
ねぇ、人って、
甘いものを食べると、
ちょっとだけやさしい気持ちになるよね?
それがあたしの、ささやかな願いなの。
忘れられてもいい。
でも、一度だけ、誰かの心に残れたなら。
「おいしかったね」って、
そんな一言をくれたなら。
それだけで、
あたしの“焼き色”は、きっと幸せなの。
今もあたしは、世界中のオーブンで焼かれてる。
どこかの町のカフェで、
ティーカップの横にちょこんと座ってる。
けれど、あたしの中には、
あのマドレーヌの手のぬくもりが、ちゃんと生きてるの。
──あたしの名前は、マドレーヌ。
ほんのり甘くて、ちょっぴりさみしい、
ひとりの少女のレシピから生まれた、
“やさしい記憶”のお菓子。
だから、今あなたの心がちょっと疲れているなら、
あたしをひとくち、かじってみて。
きっとね、なにか、思い出すから。
あたしの焼き色、あなたの記憶』




