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あったかいの、つめたいの

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

ぼくは、自動販売機。

国道沿いの古びたバス停の横で、

気づけば、三十年も立ちっぱなしだ。

春には学生がジュースを買いに来て、

夏にはトラックの運転手が缶コーヒーを一気に飲み干す。

秋には誰も来ず、冬には誰かが、

「寒いな……」と言って、ぼくの前に手をかざす。

うれしかったよ。

ぼくの体温で、誰かの手が少しでもあったかくなったなら。


昔は、子どもたちの笑い声が近くにあった。

「あたり出た!」って走り回ったり、

小銭を落として泣きそうになってる子がいたり。

ある日、女の子が言った。

「自販機さんって、寝ないの?」

もちろんさ。ぼくは、夜でも働けるんだ。

「つめたいの」「あったかいの」って、誰かの気分に応えられるように、ずっとここにいた。

でも――

だんだん、お客さんが減っていった。

近くにコンビニができて、スマホでなんでも買えるようになって。

電子マネー? ぼくには対応できないよ。

赤と青のランプが、ちょっとだけさみしく光る夜。

それでも、ぼくはここに立ち続けた。

だって、誰かの“ちょっと一息”のために生まれたんだ。


ある日、人が来た。

作業着を着た男たちが、ぼくの背中を調べて言った。

「古いな。もう部品も出ないか」

「この場所も更地にするし、引き上げよう」

ぼくは、動けない。

それが、ぼくのかたち。

だから、黙って運ばれる。

ガタガタと揺れるトラックの荷台の中で、

ぼくは静かに、最後の夜を迎える。


でも、不思議と――悲しくなかった。

だって、ぼくはちゃんと知ってる。

ここに立っていた三十年、

たしかに“だれかの役に立っていた”ってことを。

小銭のカランという音も、

缶が落ちるドンという振動も、

ぼくのなかで、まだちゃんと鳴ってる。

それだけで、ぼくには十分なんだ。

ありがとう。

「つめたいの」「あったかいの」、

ぜんぶ君たちのおかげで、ぼくの中も、あたたかかったよ。

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