夜の火よ、消えぬように
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
1793年。パリ、深い夜。
石畳を覆う霧の向こうに、鐘の音が鈍く響く。
ギロチンのあるコンコルド広場のそば、小さな通りの片隅で、少年はランタンを灯していた。
名はルネ。
十歳。靴屋の息子。だが今、彼は一人きりだった。
父も母も、自由を願って声を上げた。
だが「自由」を叫ぶ時代に、「正しさ」がどれかなど、誰にもわからなかった。
処刑されたのか、牢にいるのか、それすらも知らされていない。
「夜が長すぎるよ」
ルネは誰にともなくつぶやいた。
空は深い藍色に沈み、星さえ雲に隠れている。
だが手にした小さなランタンだけが、彼の歩く道をほんの少し照らしてくれた。
その灯りは、母がくれたものだった。
「暗い夜に、人は灯りのもとに集まるのよ」
──やさしく、静かに、母はそう言った。
革命のさなか、街には怒号と歓声が交錯していた。
自由、平等、博愛。
けれど、ルネにはそれがどういう意味なのか、まだわからなかった。
ただ一つ、彼が信じていたのは、
夜が来ても、灯りを絶やさなければ、朝は来るということだった。
ある晩、ルネはパンの配給所で、すすけた上着を着た女性と出会った。
彼女は、震える手で赤子を抱きかかえていた。
「灯り……それを少し貸してくれる?」
ルネは黙って、ランタンを差し出した。
女性は火を受け取り、うっすらと微笑んだ。
「ありがとう……あなたのおかげで、今夜を越えられる」
それはルネにとって、はじめて「自由」が何かを知った瞬間だった。
誰かに火を分け与えること。
暗闇の中で、誰かと隣に立つこと。
それが、母と父の願った“革命”だったのかもしれない──。
やがて時代は進み、夜は明けてゆく。
ギロチンは撤去され、恐怖の支配は幕を閉じた。
ルネは青年になり、今では小さな製本屋を営んでいる。
その店の棚の奥に、いまもひとつの古いランタンが置かれている。
煤けたガラスの向こうに、あの日の炎がまだ灯っているように見える。
──夜の火よ、どうか消えぬように。
革命とは、夜に灯した一つの希望の火。
それを次の誰かに渡すこと。
パリの空には、今日も星が瞬いている。




