あたし、飴玉
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
あたしは飴玉。
ころんと丸くて、透明の包み紙にくるまれて、
どこにでもいる、ちいさなお菓子。
あたしね、けっこう昔からいるのよ。
そう、甘いものといえば、あたしだった時代もあったんだから。
遠足のリュック、ランドセルのポケット、おじいちゃんの上着の中。
みんなあたしをひとつ、ふたつ、忍ばせてた。
熱を出した子どもに、
「はい、なめてごらん」ってお母さんがくれたのも、あたしだった。
いろんな人の口に入った。
おじいちゃん、おばあちゃん、子どもたち、恋人同士。
手のひらで転がされ、あたたかい息と一緒に、口の中へ。
「おいしいね」「なつかしい味」「ほっとする」
そんな言葉が、あたしの誇りだった。
でもね、時代は変わったの。
コンビニにはチョコ、ケーキ、タルト、プリン。
名前の長いおしゃれなお菓子たちが、つぎつぎと並んでる。
SNSでは、流行りのスイーツが写真付きで拡散されて、
あたしなんて、影の隅っこに押しやられちゃった。
「飴?ああ、喉が痛い時のやつ?」
……ちょっとだけ、さびしいけど。
それでも、あたしは今日も誰かのポケットにいる。
元気のない子どもにそっと差し出されたり、
デスクの引き出しでこっそり笑顔をつくったり。
たとえ一瞬でも、口の中が甘くなって、ふっと表情がゆるむのを、
あたしはちゃんと知ってる。
たとえ“主役”じゃなくなっても、
ひとときのしあわせを届ける名脇役って、悪くないでしょ?
あたしは、飴玉。
昔も、いまも、これからも――
いろんな人の口に入って、喜んでもらえることが、なによりうれしい。
そうして静かに、あたしは今日も舌の上で、
甘く、やさしく、すこしずつ溶けていく。




