今日はどの彼女にする?
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
夜9時過ぎ、仕事帰りのスーツの襟に疲れを乗せた中年男――村瀬は、今日もふらりとスーパーの酒売り場へ向かった。
蛍光灯の明かりが、ずらりと並んだ彼女たちを照らしている。
缶ビール、ハイボール、レモンサワー、日本酒、ワイン、ウイスキー――。
棚に整列した“量産型の彼女たち”は、それぞれ笑顔で待っている。
「また来たの?ねぇ、今日も私でしょ?」
甘ったるい声でレモンサワーが微笑む。
その隣で、淡麗な彼女がさらりとした声でささやく。
「どうせ選ぶなら、あたしでいいでしょ。安いし、軽いし、すぐ飲める」
村瀬は鼻を鳴らして棚の前で立ち止まる。
もう何年も、毎日こうだ。
スーパーに通って、彼女たちの中から“今日の恋人”を一本だけ選ぶ。
日替わりの恋。常温の情。冷蔵のキス。
割り切れた愛は、アルコール度数とともに深くなる。
「こっちもいるわよ」
ちょっと高めの棚から、日本酒の彼女が微笑んでいた。
ラベルは古風だが、化粧は濃い。
「今日は頑張ったでしょ?疲れてる顔してる。どうせ家に帰っても独りでしょ。だから……ほら」
村瀬の指が一瞬だけ、彼女の瓶に伸びる。
が、すぐに横からハイボールの彼女が割って入る。
「ちょっと!そういう重いの、今日はやめなよ!私は炭酸。軽い、明るい、ノリがいい。明日に残らない女だよ?」
村瀬は笑いもせず、棚を見渡す。
「選べるってのも……罪だな」
そうつぶやいたとき、一番下の隅っこで、誰かがぽつりと声をかけた。
「……ねえ、そろそろ本気になっても、いいんじゃない?」
それはコンビニ焼酎の紙パックだった。
安い。渋い。割らなきゃ飲めない。
でも、その目はまっすぐだった。
村瀬はしばらく黙っていた。
店内のBGMが遠くで鳴っている。誰かが特売品をかごに入れる音がした。
彼はひとつ息をついて、微笑んだ。
「……今日は、お前にするか」
焼酎の彼女が、ほんの少し、照れたように黙った。
いつもより重い袋をぶら下げて、村瀬はスーパーをあとにした。
外はもう、冷たい夜風が吹いていた。