隣領ゴヨク領と出会い
とりあえず、訓練して身体の持つスペックを
それなりに解放して為一つ目の領地に復讐しに来た。
『で?なんだ?この領地は既に
廃れてるじゃないか』
『(おかしいな、昔来た時はこんなんじゃ
無かったんだけどな。)』
『さっさと復讐してしまおうか、ここの領主は
どう復讐するんだ?』
『(ここの領主は散々痛ぶってくれたから
痛めつけてやろうと思ってる。)』
『わかった、じゃあさっさと領主の館に行こう』
領の境界付近から空を飛んで、領都へ一気に
やって来た。
「ふざけんなよ!!ゴヨク!!お前のせいで
俺たちがどんだけ苦労してんのかわかってんのか!」
何だか領主の館の前で一人の若者が叫んでいる。
館から兵士が二人出て来た。
「貴様、ゴヨク様の館で何を叫んでいるんだ
さっさと去れ!」
若者は兵士に噛み付いて
「うるせえ!さっさとゴヨクを出せ!ぶん殴っ」
そう言った若者を別の兵士が殴りつけた。
「貴様、痛い目見たいらしいな」
若者は兵士二人に袋叩きにされ始めた。
やれやれ
『おい、その辺にしといてやれ』
兵士の腕を掴んで動きを止める。
「何だ貴様!邪魔をするな!」
兵士は俺を殴りつけて来た
『離してやれ』
そういって鑑定をかける
戦闘力17/17(MAX120)
魔力 2/2(MAX3)
何だ、この数値は、前世を遡っても
こんな弱い奴いなかったぞ。
「効いてない!?くそっ!」
悪態をついて二人の兵士は館の中に入って行った。
『大丈夫か?』
「いてて、あいつら好き放題やりやがって。
ありがとう、助かったよ」
『いや、大したことはしてないさ』
「それより、あんた強いな!
会っていきなりだけど俺を鍛えてくれないか?」
『なんだ?強くなってどうする?』
若者は強くなりたい理由を語ってくれた
ゴヨク領に生まれ、先代までは良かったが
今代の領主は自分の力が強いことを良いことに
やりたい放題。
そんな領主に決闘で勝ち、領主の交代をさせたくて
強くなりたいのだと。
そんな若者に鑑定をかける
話を聞いて元の身体のマシューが
力を貸してやりたいと言い出したからだ
名前:トラジ
戦闘力:11/13(MAX25,000)
魔力:1/1(MAX100)
いや、極端だけどめちゃくちゃ強いな。
『わかった、俺の特訓は厳しいぞ』
「ありがとうございます!師匠!」
『なんだそれは』
「俺が呼びたいんです。」
そして1週間後
『じゃあ、鑑定するぞ?』
「お願いします!」
名前:トラジ
戦闘力:8700/8700(MAX25,000)
魔力:100/100(MAX)
『1週間であの兵士を指で倒せるレベルにまで
成長したな。』
「本当です?師匠には全然歯が立たないから
わからないですよ?」
いや、根性があるからか、元々の力のおかげか
地獄とも思える特訓に耐え切ったな。
元マシューは怯えてたもんな。
『いや、おまえの実力はこの辺りじゃ
俺以外に敵うものなどない。』
「師匠にそこまで言われると自信つくなぁ」
『だが、まだまだ伸び代はある、毎日でも
特訓はするぞ!』
「ありがとうございます!望むところです!」
『じゃあ、ゴヨクの館に乗り込むか』
「はいっす!」
そして再度ゴヨクの館へやって来た
「たのもーー!」
トラジが館に向かって叫んでいる
『もう少しスマートにやれんのか?』
「決闘なんだからこれくらいが良いんですよ」
『そんなもんか?』
そうこうしていると館から前出て来た兵士が
二人出て来た。
「また貴様か!やられ足りないらしいな!」
「お、おい!あいつがいるぞ!」
二人はちょっと怯えながら
「こ、今回はタイマンでやってやる!手をだすなよ」
『わかった。手は出さんと約束する』
兵士は安堵の表情で
「じゃあ、ガキ、タイマンだ」
兵士が殴りかかったが、ひらりとトラジは躱わす
「この!」
ブンブン腕を振って殴りかかるが、全く当たらない。
「なんだ、こんな遅い拳にあたるかよ!」
そうして交わし続けると兵士の動きが止まった。
「はぁはぁ、くそ!ちょこまかと!」
「じゃあこっちからいくぞ!」
『トラジ!!』
トラジはビクッとして
「わかってます!」
兵士にデコピンをかました。
しかも触れるような、それはそれへ弱い力で
しかし兵士の身体は大木槌で殴られたかの如く
吹っ飛んだ
「まじか、、、」
トラジは自分がやったその光景に驚いている
『トラジ!だから言っただろう』
「はい、」
もう一人の兵士は青ざめて、館に戻って行った。
『よし、もう中に入ってしまおう』
「そうですね」
中に入ると大広間に3人の男がいた。
一人は逃げた兵士、もう一人は大柄の男
そして、もう一人は
「これはこれは、無礼な領民と隣領の
伯爵令息ではありませんか。」
『ふ、久しぶりだな、レンゼン=ゴヨク伯爵』
どれどれ、二人を鑑定してみるか
名前:レンゼン=ゴヨク
戦闘力:255/255(MAX275)
魔力:120/120(MAX130)
親衛隊長
戦闘力:1025/1025(MAX3000)
魔力:10,000/10,000(MAX10,000)
『へぇ、で?トラジ、ゴヨクと決闘するのか?』
「もちろんです!あいつを領主から引きずり
おろしてやりますよ!」
『わかった、じゃあやってみろ』
レンゼンは不敵に笑い
「小僧が、私に歯向かった事を後悔させてやる」
トラジとレンゼンが向き合うと
親衛隊長が魔法を使った。それはきっと今は
俺にしかわからない。
『なかなか、うまく魔法を作動させるな。
バフってやつか?』
親衛隊長は驚き
「な!何の話だ!」
まあ良い。
これでレンゼンもかなり強くなったし
トラジがどこまでやるかもみたいし
二人の戦いが始まった。
トラジもレンゼンの動きに驚いていたが
レンゼンもトラジが動きに対応した事に
さらに驚いていた。
「まさか!この状態の私についてくるとは!」
「へっ!俺だって師匠に鍛えられたんだ!
このくらいなら余裕だ!」
戦闘が長引くに連れて、レンゼンが押されていく
「親衛隊長!もっとだ!」
「はっ!」
親衛隊長はさらにバフの魔法効果を上げる。
ふーん、バフってああやってやるのか
「ははは!これならどうだ!!」
レンゼンの動きがよくなり
戦況は互角になって来た。
「まだまだ!これなら余裕だ!」
トラジも負けじとついていく。
そこからは壮絶な殴り合いだった。
互いの実力が拮抗している事が良くわかる
凡そ5分も戦い続けた終わりは突然やって来た。
「オラァ!」
「ぐはぁ!」
身体がくの字に曲がったのはレンゼン
「うがぁああ!親衛隊長!もっとだ!!」
親衛隊長は首を横に振り
「もう、これ以上は無理です!」
よく見ると親衛隊長の顔は青ざめて
汗をかいていた。
『魔力枯渇か』
「くっ、貴様、何者だ?」
親衛隊長が悔しそうにこちらを見てくる。
『マシュー=ランドバーグ以外何にみえる?』
親衛隊長は無言で俯いた。
そうこうしてると勝負がついた。
「よし!勝ったぁ!」
立っていたのはトラジ、両手を挙げて喜んでいる。
「なんて、、、化け物だ、、、はぁはぁ、、」
倒れたレンゼンは息も絶え絶えという感じで
感想を口にした。
その後、魔力回復薬により復活した親衛隊長が
挑んだきたが、返り討ちにしてやった。
それを見たレンゼンはランドバーグ家に降る事を
決意し、契約の魔法を実行した。
またトラジに敗北した事もあり、今までの
圧政を深く詫びて、やり直しを誓った。
結局領主を務められるような人材もいない事から
レンゼンが領主を続投する事になった。
『じゃあ、レンゼン=ゴヨク伯爵、
領地の立て直しとランドバーグ家への支援
頼むぞ。』
「わかった、私の名において必ずや実行しよう」
『トラジ、おまえはどうする?』
「俺は師匠についていきます!」
『わかった、しばらくは旅が続くぞ』
「大丈夫です!」
こうして、隣領を収めて、トラジという
仲間を増やして旅を再開するのだった。
『(いや!おい!復讐は!?俺のやられた分!)』
と元のマシューが言っていたとかいないとか