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長州訪問

※龍馬の言葉は土佐弁ですが、本作では土佐弁にすると読みづらさがでるためあえて使わずに執筆しています。龍馬以外の登場人物に関しても同様です。

 土佐勤王党は諸藩の動向を調査するために、竜馬を四国・中国・九州へ派遣した。


 道中、竜馬は中岡慎太郎は一緒に行動することになった。中岡は、竜馬に対して強い憧れを抱いていた。二人は意気投合し、すぐに親友となった。


 ある日、竜馬と中岡は海を見ながら語り合っていた。中岡は興味津々な表情で問いかけた。「龍馬さん、あなたはどうして異国の地に憧れ、その知識や技術を学ぼうと決意されたんですか?」


 竜馬は笑顔で答えた。「まあ、いろいろあってな。世界は広いんだよ。私は日本が他国とつながり、互いに学び合うことで、もっと強くなると信じているんだ。実は、土佐出身のジョン万次郎さんの話を聞いて、彼がアメリカに漂流してから戻ってきたことを知って、その可能性に目覚めたんだ。」


 中岡は興味津々で聞き入った。「なるほど、ジョン万次郎さんの話は僕も聞いたことがある。彼が海を渡り、遠い異国で学んだ知識や技術を日本に持ち帰ってきたことは、本当に感動的ですね。」


 竜馬はうなずいて言った。「そうだよ。彼の話を聞いて、日本も他国と交流することで、さらに成長できると確信したんだ。」


 中岡は感嘆の表情を浮かべて言った。「龍馬さん、その広い視野には本当に感動します。私もあなたのように、日本のために役立つ知識や技術を学びたいと思います。」


 竜馬は嬉しそうに微笑み、中岡の肩を叩いた。「そうだね。一緒に日本の未来を築いていこうじゃないか。」


 旅を続けるうちに竜馬と中岡の交流は深まり、中岡は龍馬へのあこがれをさらに強く抱くようになった。


 竜馬は中岡と共に長州を訪れ、桂小五郎に会いに行くことになる。桂は竜馬とは以前、江戸滞在中に開催された剣術大会で出会った仲であった。桂は二人に、長州藩の若手のリーダーである高杉晋作を紹介した。


 高杉は真剣な表情で語り始めた。「吉田松陰先生の教えに触れて、私たちはこのまま徳川幕府の体制が続くと、日本は破滅に向かうと感じている。」


 桂も続けた。「私たちが今、新しい時代を切り開くために立ち上がらなければ、日本の未来は暗いものになるでしょう。」


 竜馬は思いを馳せながら言った。「確かに、幕府のやり方では、日本は他国に取り残されてしまう。それに、身分制度にも問題がある。生まれた身分だけで人生が決まってしまうのは、本当におかしいと思うんだ。俺たちも同じことを考えているんだ。」


 中岡は熱い眼差しで高杉と桂を見つめた。「竜馬さんと僕も、日本が変わるべきだと思っています。一緒に力を合わせて、日本の未来を変えていきましょう。」


 高杉はにっこり笑って言った。「そうだね。私たちの目標は同じだ。一緒に協力し合い、新しい日本を築いていこう。」


 桂も笑顔でうなずいた。「まさにその通り。竜馬さん、中岡さん、これからよろしくお願いします。」


 こうして、竜馬、中岡、高杉、そして桂は、同じ志を持ち、日本の未来のために力を合わせることを誓い合った。彼らは幕末の動乱期を生き抜き、日本の歴史に名を刻むこととなる。


 土佐に戻る道中、竜馬は、深い哀愁に浸っていた。彼の心の中で、かつて教えを受けた佐久間象山の面影がよぎる。吉田松陰の話が出たことで、竜馬は象山と会えなくなったことを改めて痛感していた。


(あの頃、象山先生から教えを受けたことは、僕にとって大切な宝物だった。しかし、今はもう彼の姿も声も失われてしまった。先生がいたあの頃は、自由な発想や新しい知識に触れることができたのに…)


 竜馬は、象山の教えを悼みながら、土佐への帰路を急いだ。

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