武市半平太
※龍馬の言葉は土佐弁ですが、本作では土佐弁にすると読みづらさがでるためあえて使わずに執筆しています
江戸での修行を終えた竜馬は、土佐に戻ることになった。
土佐藩では、勤王攘夷思想が次第に主流となっていた。竜馬もその流れに身を任せていたが、彼の親友であり親戚でもある武市半平太が、武者修行の名目で諸国を巡り、時勢を視察していた。ある日、半平太が土佐に戻ってきた。
竜馬は半平太と会い、「半平太、お前が戻ってきてから何やら忙しそうだな。どうしたんだ?」と尋ねた。半平太は熱っぽく語り始めた。「龍馬、この度、私は土佐勤王党を立ち上げた。目的は、藩内勢力となって、藩の政策に影響を与え、尊王攘夷の方向へ導くことだ。お前も低い身分で随分と辛い思いをしてきたよな。お前も是非、一緒にやろうではないか」彼は、龍馬に土佐勤王党の結成を告げ、参加を持ちかけた。
竜馬は半平太の熱意に感銘を受ける一方、現代から転生した自分の知識を持っていたため、勤王党の結成や半平太が過激になることを懸念していた。彼は躊躇いながらも、半平太に提案を持ちかけた。
「半平太、お前の気持ちはよくわかる。だが、もしかしたら、土佐勤王党の結成は、これからの時代に過激な行動を引き起こすかもしれない。本当に尊王攘夷でいいのか、一度考え直してみたらどうだ?」
しかし、半平太は彼の意見に耳を貸さず、固い決意を示した。「龍馬、ありがとう。だが、これは僕たちの信念だ。この国は今のままではいけない。土佐藩を尊王攘夷の道へ導くためには、僕たちの力が必要なんだ。君が心配していることもわかるが、このままじゃ僕たちの未来は変わらない」
竜馬は内心で葛藤しながらも、半平太の熱意に押される形で彼の提案に賛同した。「分かった、半平太。お前と共に、この土佐藩を尊王攘夷の方向へと導いていこう」と力強く言い、土佐勤王党に加わることを決意した。竜馬は勤王党の一員として、藩内の同志と共に、尊王攘夷の道を歩むこととなった。
しかし、その胸中には、歴史の流れを変えることができるのか、それとも過去の悲劇が繰り返されるのかという不安が抱かれていた。竜馬は、この運命を変えるために、自分ができることを精一杯やることを誓った。