近藤勇
※龍馬の言葉は土佐弁ですが、本作では土佐弁にすると読みづらさがでるためあえて使わずに執筆しています
竜馬は千葉道場での修行を精力的にこなし、徐々に実力をつけていった。彼は土方歳三との出会いをきっかけに、自分の力を発揮して国の未来を変えるべく奮闘することを決意していた。
ある日、道場にまた新たな顔が現れた。その男はどこか人懐っこい笑顔と風貌を持ち、一瞬で道場の人々の心をつかんだ。彼の名は近藤勇であり、後に新選組の副長になる運命にあった。竜馬は彼に興味を持ち、彼と交流を深めようとした。
竜馬は近藤勇と道場で一緒に稽古をし、彼と共に修行を積むうちに、互いに信頼と友情を育むことができた。近藤勇は優れた剣術の腕前と柔軟な発想を持ち合わせており、竜馬は彼から多くを学ぶことができた。また、竜馬は近藤勇が強い正義感を持っていることに気づいた。
ある晩、稽古が終わり、竜馬と近藤勇は道場で話をしていた。「近藤さん、どうして剣術を学び始めたんですか？」と竜馬が尋ねると、近藤勇はにっこり笑って答えた。
「僕はね、武士の出身ではないから、徳川幕府のために武士になることは難しいんだ。でも僕は諦めないで、自分ができることを見つけたかったんだ。剣術を学んで強くなることで、僕ができることが増えると思っているし、自分の力で身分の壁を乗り越えて、いつかこの国のために何かできると信じているんだよ。」
竜馬は近藤勇の言葉に共感し、彼との友情がさらに深まることを感じた。「僕もそう思います。僕たちは自分たちの力を使って、国のために何かできるはずです。」
竜馬と近藤勇は互いに切磋琢磨し合い、強い友情を築いていった。竜馬は彼と共に剣術の技を磨き、道場での生活を楽しんでいた。そして、彼らはやがて、幕末の動乱期を迎える日本で、互いに協力し合いながら奮闘することになるのだった。
こうして、竜馬の江戸修行は終わりを迎えることになる。土佐に戻る道中、竜馬は道場での日々を思い出しながら、心の中で疑問を抱いた。「俺は、歴史を変えることができるのだろうか？」
彼は近藤勇たちが、後に新選組という組織を立ち上げることを知っていた。新選組は幕末の動乱期に活躍し、多くの武士たちと衝突することになる。竜馬は、歴史上は新選組とは必ずしも友好的な関係ではないことを知っていた。心の中で竜馬は悩んでいた。
「近藤さんとの友情を大切にしたい。でも、歴史上は新選組との関係がうまくいかなくはずもない。俺には、この歴史を変える力があるのだろうか？」
竜馬はこの複雑な心境を抱えながら、自分の役割や立場について悩み続けた。彼は歴史を動かす大きな力を持っていることを理解していたが、それでも友情と歴史の間で揺れ動く心がどうにも落ち着かなかった。
しかしその後、彼は自分の信念を取り戻し、心の中で決意を固めることになる。「俺は、できることを精一杯やろう。友情も大切にし、この国のために尽力する。それが私にできることだ。歴史は変えられるかどうか分からないけれど、今、目の前にあるものに全力で取り組むことが大切だ。」
竜馬は複雑な心境を抱えながらも、前を向いて進む決意を固めた。そして、幕末の動乱期を迎える日本で、それぞれの運命は大きく加速していくことになる。
