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佐久間象山との出会い

※龍馬の言葉は土佐弁ですが、本作では土佐弁にすると読みづらさがでるためあえて使わずに執筆しています

 竜馬は千葉道場で剣術を学ぶ傍ら、さらなる知識を求めて歩んでいた。そんな折、彼は当代の軍学家・思想家である佐久間象山の私塾に入学することを決めた。象山は、砲術や漢学、蘭学などの幅広い学問を教えており、竜馬は彼から多くを学ぼうと熱心に通い始めた。


 初めて象山に会ったとき、竜馬は彼の鋭い眼光と博識に感銘を受けた。「佐久間先生、私は坂本龍馬と申します。これから先生の教えを受けさせていただきたく、どうかよろしくお願いいたします」と竜馬は丁寧に挨拶をした。象山はにっこりと笑って、「坂本君、いい意気だ。私の知識を吸収して、国のために活躍してくれ」と答えた。


 竜馬は象山の塾で学んでいくうちに、彼が未来の歴史を知っているのではないかという疑問を抱いた。ある晩、竜馬は象山に吉田松陰の米国軍艦密航事件に関して話を持ち出した。転生前に坂本龍馬に関する歴史の書籍を何度も何度も繰り返し読んでいた竜馬は、象山がその事件に関わり、投獄されることを知っていた。「先生、これから先生が捕まることになるとしたら、どうしますか?」と竜馬は尋ねた。


 象山はしばらく沈黙してから、「私は、近いうちに投獄されるだろう。坂本君、君はひょっとして遠い未来から来たのではないかね?」驚く、竜馬に象山はつづけた「実は私も、未来から転生してきた者なのだ」竜馬は驚きのあまり言葉を失ったが、彼も同じ境遇であることを理解し、共感を覚えた。


(まさか、こんなところで同じ境遇の人に出会うなんて…象山先生も未来から転生してきた人なんだ。これまで孤独だと感じていたけど、こうして同じ境遇の人と出会うことができて、何だか心強く感じる。)


 象山は深く息を吸い込んで話をつづけた。「歴史を変えないためには、自分が捕まることもやむを得ない。私の行動が、後の世に変わらずに影響を与えることを願っている」


(先生は歴史を変えないために、自ら捕まる覚悟をしているんだ。それだけ未来への影響を大切に思っている。こんなに強い決意を持った人と出会えるなんて、僕にも何かできることがあるのかもしれない。しかし、自分も同じように考えられるのか・・・)


 やがて、象山はその後に吉田松陰の米国軍艦密航事件に関係したとして投獄されてしまった。


 この事件は、歴史を変えないために捕まった象山に対して竜馬は自分自身が将来暗殺されることをどういう風に捉えればいいのか深く考えるきっかけとなった。

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