再び江戸へ
※龍馬の言葉は土佐弁ですが、本作では土佐弁にすると読みづらさがでるためあえて使わずに執筆しています。龍馬以外の登場人物に関しても同様です。
寺田屋事件の悲劇的な報せを受けた竜馬は、自らの身を案じて九州へとその身を隠すことに決めた。そして、竜馬は九州から長州へと移動し、再び長州藩の志士たちと合流することになる。
長州に到着した竜馬は、かつて出会った高杉晋作や桂小五郎ら長州藩の志士たちと再会を果たす。彼らは竜馬を温かく迎え、再び共に幕府に対抗する戦いを繰り広げることを誓い合った。
竜馬は高杉晋作らとの交流を深め、彼らの熱い志に感化される。そして、自分も彼らと共に日本の未来を変えるべく力を尽くすことを決意する。竜馬は現代の知識を生かし、戦術の提案を行い、長州藩の戦力向上に貢献する。
そんなある日、吉田東洋の暗殺犯が土佐勤王党の人間だという知らせが届く。竜馬は自分が容疑者でなくなったことに安堵し、再び江戸に向かうことを決意する。長州の志士たちも竜馬に協力することを約束し、彼の旅立ちを見送る。
竜馬は、久しぶりに江戸に戻ることになり、胸に高まる期待と不安を抱えながら馬に乗り、風の音を聞きながら旅を続けた。江戸の街並みが遠くに見えると、竜馬は懐かしさに包まれる。
(江戸の街、みんな、本当に久しぶりだ。どんな顔をして会えばいいのか、正直わからないけれど、少なくとも彼らと再会できる喜びは隠せない。さな子は元気だろうか?)
江戸での再会、その想いを胸に、竜馬は街へと足を踏み入れた。
江戸に到着した竜馬は、まず千葉道場へと向かった。道場の門を開けると、そこには昔と変わらぬ光景が広がっていた。道場の中では、かつて竜馬が訓練を積んだ仲間たちが汗を流しながら技を磨いていた。
竜馬の姿を見つけた道場の仲間たちは驚きと喜びで駆け寄ってきた。千葉道場の面々は竜馬の無事を心から喜び、彼と抱擁し合った。竜馬もまた、懐かしい友達たちと再会できたことに安堵し、笑顔がこぼれた。
その中には、竜馬がかつて想いを寄せていた千葉さな子の姿もあった。彼女は大人になってさらに美しさを増していたが、彼女の瞳にはいつもの優しさと強さがあった。竜馬は彼女と目が合い、心の中で彼女への思いを確かめる。
竜馬はさな子に近づき、笑顔で話しかけた。「さな子さん、お久しぶりです。元気でしたか?」
さな子も微笑み返し、竜馬を見つめながら答えた。「竜馬さん、お帰りなさい。お元気そうで何よりです。あなたがいない間にも、道場ではいろいろと変わりましたよ。」
竜馬は興味津々で聞いた。「そうですか、どんな変化があったんですか?」
さな子は嬉しそうに話し始めた。「みんな、竜馬さんを見習って一生懸命に努力しています。特に近藤勇さんや土方歳三さんは、あなたが戻ってくるのを楽しみにしていましたよ。」
竜馬は嬉しそうにうなずいた。「それは素晴らしい。俺も彼らともう一度修行ができることを楽しみにしていました。さな子さんも変わらず、美しくて強いままでいてくれて、嬉しいです。」
さな子は顔を赤らめ、恥ずかしそうに言った。「竜馬さん、お世辞でも嬉しいです。あなたもすごい成長を遂げたようで、私たちもうれしいですよ。これからも、一緒に頑張りましょうね。」
竜馬は力強くうなずき、彼女の言葉に心から同意した。
千葉道場で日々を過ごしていたある日、幕府の使者が道場を訪れた。
内容は、福井藩主・松平春嶽からの会いに来いということだった。突然の呼び出しに戸惑いながらも、竜馬は松平春嶽に会いに行くことになった。理由もわからないまま藩邸を訪れた竜馬は、緊張に包まれていた。
竜馬が春嶽と対面すると、春嶽はにこやかに笑って言った。「おお、坂本竜馬殿。お前さんが来てくれるとは光栄だぜ。俺もお前さんの話はよく聞いている。」
春嶽は竜馬に質問を投げかけた。「さて、お前さん、今の幕府に対してどう思っているか聞かせてくれ。」
竜馬は心の中で葛藤しながらも、春嶽が幕府の要職についていることを考慮に入れつつ、春嶽が話の分かりそうな温かみのあるおじさんという雰囲気を感じ取り、素直に自分の考えを伝えた。
春嶽は満足そうにうなずき、話を続けた。「そうか。それなら、勝海舟という男に会ってもらいたいんだ。お前さんのような若者と協力して、日本の未来を築いてくれるだろう。」
春嶽の言葉を聞いて、竜馬は内心で興奮していた。現代での知識から、勝海舟が幕末の歴史上の偉大な人物であることを知っていたからだ。
しかし、一方で竜馬は不安な気持ちも抱いていた。転生した彼が歴史通りに、勝海舟と仲良くできるのだろうか。
(でも、俺は転生者だし、歴史に詳しいだけで実力はまだまだだ。勝海舟と本当に仲良くなれるのかな。彼に期待されても、果たして彼の力になれるのだろうか…)
竜馬は、春嶽から紹介状を受け取り、勝海舟との出会いと不安を胸にしまい込んだ。




