容疑者、坂本竜馬
※龍馬の言葉は土佐弁ですが、本作では土佐弁にすると読みづらさがでるためあえて使わずに執筆しています。龍馬以外の登場人物に関しても同様です。
土佐勤王党に残ることを決めた武市半平太と別れ、竜馬は脱藩の道を選ぶ。現代から転生した竜馬は、武市の将来を案じるが、過去の知識を持つ彼自身も、歴史を変えることができるのか心の中で悩む。
(武市は土佐で尊王攘夷の志を続けると言っていたが、彼の未来は悲惨なものだ。俺は脱藩して歴史を変えることができるのだろうか……)
脱藩後、竜馬は長州の吉村虎太郎を頼るが、既に吉村は京都に向けて出発していた。
(吉村に会いたかったが、彼はもう京都に向かっているんだ。どうすればいいのか、迷ってしまう……)
結局、竜馬はとりあえず大阪に向かうことに決めた。大阪では他の志士たちとの出会いも期待でき、彼らと協力して幕府に対抗する力を得られるかもしれないと考えた。
大阪への道中、竜馬は自分が何者かに暗殺される未来を思い出し、恐怖に襲われるが、彼はその運命に立ち向かう決意を固める。
(俺は、幕末の時代に現代から転生した。どんな困難にも立ち向かわなければ、この国の未来は変わらない。大阪で新たな仲間と出会い、共に戦うことで、俺たちの力で歴史を変えてみせる。)
大阪に到着した竜馬は、まずは吉村虎太郎の知り合いである志士たちとの接触を試みる。
そんな中、土佐藩の大物である吉田東洋が何者かに暗殺されるという事件が起こる。大阪に潜伏していた竜馬は土佐藩士の望月清平から自分が殺害犯だと土佐で疑われていることに驚き、落胆する。
「なんてことだ……吉田東洋殺害で自分が容疑者にされるなんて……」
竜馬は自分が知らない歴史について不安を覚えた。
(俺は、家族や友人と離ればなれになる覚悟をしている。俺の知っている歴史では脱藩が許されることになっているがそれが現実になるとは限らない……)
竜馬が不安に思っているさなか、京都では後に寺田屋事件と呼ばれる事件が勃発する。
薩摩藩の尊王攘夷派の過激派志士たちは、島津久光の上洛が幕府を打倒する目的であると誤解していた。しかし、久光の真の狙いは、幕府と朝廷を一つに統合し、公武合体を実現することであった。これを知った過激派志士たちは、それでも幕府を倒すべく計画を立てた。久光は彼らを止めようと試みたが、彼らの意思は固く、結局失敗に終わった。
その結果、久光は自らの藩士たちに命じ、過激派志士たちが潜伏しているとされる寺田屋への突入を決断した。緊迫した空気の中、薩摩藩の藩士たちは寺田屋に向かい、悲劇的な局面を迎えることとなった。
寺田屋に到着した藩士たちは、同じ薩摩藩の出身でありながら、尊王攘夷派の過激派志士たちと対峙せざるを得なかった。友情や血縁を超えた戦いが始まり、藩士たちは痛みと悲しみに苛まれながら、次々と過激派志士たちを討ち取っていった。
戦いが終わった後、寺田屋は血の海と化しており、壮絶な戦いの痕跡があちこちに残されていた。久光は自らの手で、かつての同胞たちを討つことになってしまったことに深い悲しみを覚えた。
一方、竜馬は寺田屋事件の報せが届くと、その悲劇的な結末に驚愕し、吉田東洋暗殺の件もあり自分の身を案じて九州へとその身を隠すことになる。




