そして脱藩へ
※龍馬の言葉は土佐弁ですが、本作では土佐弁にすると読みづらさがでるためあえて使わずに執筆しています。龍馬以外の登場人物に関しても同様です。
長州藩を含めた各地での任務を終え、竜馬は土佐に帰ってきた、
その頃には薩摩藩国父・島津久光が幕府を倒すために京に兵士を引き連れて向かうという知らせが伝わっており、土佐勤王党同志たちは興奮に駆られていた。一方で、その動きに参加する動きをまったく見せない土佐藩にいら立ちを隠せず、吉村虎太郎が最初に脱藩を決意した。次いで沢村惣之丞も脱藩を決意し、彼らは竜馬に誘いをかけた。
吉村虎太郎は、竜馬に直接話しかけた。「龍馬、薩摩藩の動きに参加しようと思う。お前も一緒に来るか?」と問いかけた。現代から転生してきた龍馬は、脱藩の必要性を理解していたが、迷いも抱えていた。時代の変革が求められる局面であり、自らもその一翼を担うべきだと感じていた。
しかし、脱藩の決断は決して容易なものではなかった。この時代の脱藩者は藩内で罪人となり、家族や友人も連座の罪に問われることになる。現代から転生してきた竜馬は、心の奥底で深い葛藤を抱えていた。
(俺は、家族や友人と離ればなれになる覚悟をしている。未来では脱藩が許されることになっているがそれが現実になるとは限らない・・・)
その一方で、自分の存在が日本の未来を変えるかもしれないという使命感も強く感じていた。
吉村や沢村とは対照的に土佐勤王党の武市半平太は藩を挙げての行動を重んじ、草莽の義挙には望みを託さず脱藩には賛同しなかった。現代から転生した龍馬は、武市半平太の悲惨な最期を知っているがゆえに武市にも脱藩を促し、共に歴史を変える道を歩むために脱藩の提案した。「武市、お前と共に脱藩し、今こそ日本を変えるべきだと思う。お前も一緒に来てくれないか?」
しかし、武市は固辞した。「龍馬、お前の気持ちはよくわかる。だが、私は藩を挙げての行動を重んじる立場だ。土佐勤王党としては参加することはできない。お前が脱藩するなら、私はここで尊王攘夷の志を続ける。お前が土佐からでるなら、私は土佐で頑張る。それが、私たちの役割だと信じる。」
龍馬は武市の立場も理解していたが、過去の知識を持っている現代から転生した自分としては、脱藩して歴史を変える役割を果たさなければならないと感じていた。武市との別れが今生の最後となることを知っていた竜馬は、内心寂しさを感じつつも、彼の意志を尊重した。「分かった、武市。お前の道を信じて進め。俺も脱藩し、尊王攘夷の志を達成するために戦う。どちらも、日本の未来のためだ。」
家族と離れることへの悲しみを抱えつつも、彼は最終的に脱藩を決意し、歴史の舞台に立つことを決心した。




