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ラノベ好きは本の中  作者: ゆかり
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【1-3.学校案内】

 この世界のことについて聞いたところで、学校を案内してもらうことになった。

「まずは教育棟を案内しよう。教育棟には主に各科の教室が大部分を占めておるのじゃ。あまり面白いものはないが、着いてきてくれたまえ」

 校長に着いていく形で校長室を後にした。アイザック隊長は俺達をこの学校に正式に編入するため、書類を作成しなければならないとのことで、一旦別れることになった。

 事務棟の三階に上がると、フロア中央に教育棟と繋がる回廊があり、そこを通って教育棟三階へ辿り着いた。

「三階は錬金術専攻の教室となっておる。右側教室は奥から一年、二年、三年生が使う教室じゃ。左側の教室は実験室と倉庫じゃな。」

「ここが錬金科が使う階層ってことなんですね!明日から通うことになるから覚えとかないと」

「ああそうじゃった、教育棟では各科ごとに階層が別れておるのじゃよ。察しがよくてたすかるのう」

 てことは同じ時間に別の科の人と関わることはなさそうだね。明日からとな一人で大丈夫だろうか。でも、陽気でコミュ力の塊みたいな奴だしきっと大丈夫だろう。

 俺達は下層階から上層階の順に案内してもらった。四階には家庭科階層で、調理や裁縫にまつわる教室や家の一部屋のような教室があった。五階は理数科で、学年の教室と理科室と倉庫があった。六階の政治科は国学科と同じ階層を共有しているらしく、各学年教室と屋上へ続く階段があるだけだった。

「さて、次にお楽しみの魔法科の階を案内しよう」

 魔法科は二階で各学年教室と実験室、倉庫、そして転移室という教室があった。

「さあ、面白いものを見せてあげよう。ついてくるのじゃ」

 そう言って校長と一緒に転移室へと入った。カーテンのしまった暗い部屋の床には、光り輝く青い魔法陣が刻まれていた。

「わああ……綺麗……」

 目の前の光景に圧倒されて声も出ない。魔法陣は神秘的な輝きを放ち、目が吸い込まれるかのように綺麗だ。

「綺麗じゃろう。わしもこの教室は好きなのじゃ。して、この教室の使い方じゃが、あの魔法陣の上で、『転移』と唱えてみるのじゃ」

 言われた通りに魔法陣の上に二人で立ち、唱えてみる。

「「転移」」

 次の瞬間、ふわっとした感覚がしたと思うと、転移室とは違う景色が目に入った。辺りを見渡すと、白い石レンガで建てられた大きな施設の中にいると分かった。

 すると、俺達の背後が青く煌き、そこに校長先生が現れた。

「どうじゃったか?初めての転移魔法は」

「すごいです!なんかふわっとして、気づいたらここにいて!」

 俺達のいた世界にもポータルはあったけど、魔法ってだけでワクワク度合いが全然違う。あのふわっとした感覚もなんかよかったし。

「転移室の魔法陣には、ここの魔法陣とリンクしておってな。転移の意思を込め、伝えれば魔法陣を通して行き来できるのじゃ。どうじゃ、便利じゃろ?」

 俺達は関心して頷く。

 つまり、あの魔法陣には転移魔法の術式が刻まれていて、呪文を唱えると発動するのか。おっと、ついラノベからの知識で推測してしまった。うん。やっぱり魔法ってワクワクする!

「ここは屋内魔法実践場と言ってな。教室で行うには少々規模の大きい魔法を使用するときに来るのじゃ。おっと、日が沈み始めておる。急がなくてはならないのお。」

 この世界に夢中になっていて気づかなかったが、もう夕方の17時ぐらいだろうか。

「次は魔法訓練場を案内する」

「今度はこちらの魔法陣を使ってもらおう」

「「転移」」

 おっ、またふわっとした。いいねこれ。雲にダイブしたらこんな感覚なのかな。

 今回は屋外にでた。なにかのコートみたいなスペースがいくつもあった。その周りには座る場所と、不思議な装置のようなものが置いてあった。

「ここは主に魔法戦、つまり習った魔法で戦う、実戦演習を行う場じゃ。コートの周りにある装置は結界を張るためのものでの。あれを使うと、結界内では怪我をせずに済むのじゃ。結界の情報を変えることで効果の大小を変えることもできるし、様々なバリエーションの戦闘を楽しむことができる」

 怪我せずに心置きなく魔法で戦えるってことだね。魔法を使って戦闘だなんて、このお年頃の男子には最高すぎる!沢山の魔法を覚えて戦えるようになりたいな。

「では、ここの説明も終わったことじゃ。そこの魔法陣で、次は転移室へと転移するよう願って『転移』と言ってみるのじゃ」

 俺らが転移してきた場所は入り口のようなところで、その反対側に目的の魔法陣はあった。魔法陣のところまで歩いて辿り着いた。転移室にいけるように念を込めて……

「「転移」」

 ふわっ——目を開けると、カーテンが閉められた暗い部屋に、魔法陣の光だけが輝いていた。無事、転移室に転移できたみたいだ。

「魔法科はこれで全てじゃ。最後に、一階の剣術科を案内しよう。」

 転移室を出て、階段を降りた。

「左側は他の階と同じく教室じゃ。右側は武器庫、そして転移室じゃ」

「剣術科もどこかに転移するんですかー?」

「そうじゃ。剣術科は主に転移先の訓練場で授業を行う。転移して案内するから、着いてきたまえ」

 一階の転移室も二階と同様にカーテンが閉められていて、魔法陣が刻まれていた。

「「転移」」

 転移した先には、まさに訓練場といったような空間が広がっていた。打ちこみに使うダミーが置かれていたり、立ち合いのための闘技場があった。

「剣術科では盛んに実戦が行われていてのお。戦いあうことで切磋琢磨しあい、互いを伸ばすことに重きを置いておるのじゃ」

 実践メインで腕を磨いてく科なんだね。授業が始まったら、周りに置いていかれないよう鍛錬を続けなきゃなあ。

「もうすっかり夜になってしまったのお。明日は君達の入学式じゃから、早く寝れるようにせねばいかんの」

 俺達は今年の一年生と同い年だから、明日が入学式か。随分といいタイミングでこの世界に来たみたいだな。

 ところで、俺達はどこで寝ればいいのだろうか。

「寮へは明日の式の後に案内されるはずじゃ。今日は来賓用の客室で寝てもらうとしよう。それでいいかの?」

「えっと……同室ですか?」

「嫌だったら別々の部屋にすることもできるが、どうしたいのじゃ?」

 ……嫌って言われたら俺明日の入学式でれなくなると思うんだけど……。

「別に嫌じゃないですけど、その……はい。」

「そ、そうじゃの。カイト君はバートン君に案内してもらうといい。そうじゃ、明日の朝式前に校長室に一度二人できてほしい」

「あっ、はい。わかりました」

 そうしてとなと別室になった俺はドキドキとワクワクとは違った悲しい感情で、夜も眠れないのだった。



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