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29、約束


「明日は誕生日会だな。今回は参加者がとても少ないらしい30人もいないようだ。そしてギリギリまで部屋に待機しろとの事だ。」


「うーん、なんでかな?王から何か聞いてる?」


「いいや、まあいい。それより真由こっちに来てくれ。」


とベッドに座るユーリが隣をポンポンと叩く。誕生日の日付けになる瞬間に一緒にいようとユーリが言うのでユーリの部屋でくつろいでいたところだった。


「はい。」


隣に座ると、私の目の前に小さなベルベットの箱を出した。


「明日は16歳の誕生日だ。もう殆どの事を自分で決める事ができる年齢になる。だから聞いてくれ愛してる。結婚しよう。」


箱をパカッと開けるとプロポーズに相応しい大きなダイヤが1粒ついた指輪があった。


「……。私、私でいいの?」


「お前がいいんだ。俺は出会った時から恋に落ちていたんだよ。気が付くのが遅かったが、返事を聞かせてくれないか?」


「はい。」


と抱き着く。パジャマ姿でユーリの部屋、ムードなんて何もないけど私にはこれが一番嬉しい。


「じゃあ手を貸していただけますか姫?」


「ぶふっ。はい。」


左手の薬指にピッタリと指輪がはまる。そして誓いのキスかのようにどちらからともなく口付けた。何度も何度も唇を重ね、熱に浮かされたようにキスをする。時計の音で2人共我に返ってドギマギと話す。


「日付けが変わったな。もう16歳だ。」


「うん。おめでとう。私もプレゼント用意してるよ。」


と縦長の箱を渡す。私はアンティーク調の腕時計選んだ。ユーリがありがとうと受け取り包装紙を剥がし箱を開く。


「おお、渋いなかっこいい。」


嬉しそうに左腕に通す。シンプルなデザインだが大人の男の人がつけてそうなものを選んだ。


「でしょ。そうなの私もお店で一目惚れよ。」


「ああ、気に入った。本当にありがとう。なあもう1つ欲しいものがあるんだ。わがままを言ってもいいか?」


ふむ珍しい。あんまりそんな事言わないのに。


「いいよ。」


と頷くやいなやギュッと抱きしめられて耳元で囁かれる。


「お前の全てをくれないか?もちろん俺の全てをやるから俺にお前の全てを見せて欲しい。」


ふわぁぁぁぁ。ええーーー。ぐはあー。


「どどどどどどど、どうしよう。心の準備が。」


「お願いだ。お前の全てが欲しい。」


「……ぅん。」


「ありがとう。」


ユーリはもう一度力強く私を抱きしめた。誕生日の夜は静かにふけていった。



「幸せだ。本当に怖い位。」


「うん、私も。」


「座れるか?寒いだろ服を着せてやる。」


「じゃあお言葉に甘えて。」


とベッドの端に座りされるがままになっているとお腹の傷に口付けられた。そうだ忘れてた。もう遅いが慌てて傷を隠す。


「あの、これは…。」


「すまない俺のせいで。」


「いや!私がそうしたかったから!というかあんまりびっくりしないね知ってた?」


「ああ、実は見た事があるんだ。お前が鎮痛剤で眠っていた時にケジメとして目に焼き付けた。こんな事があってもう真由から離れようと覚悟した時もあった。だけどやっぱりダメだった。俺にはお前だけだと改めて痛感しただけだった。」


「そっかごめんね。」


「だからもうあんな事が起こらないように強くなれよ。」


と笑いながらふざけて言う。


「何わろとんねん!」


「とにかく俺より先には死ぬな。これだけは守って欲しい。もう俺を庇うのもやめて欲しい。」


「うん。」


ユーリが私の心の声を聞けなくて本当に良かった。だってあの状況に再び陥ったらきっと同じ事をするもん。ごめんね。


「さあ服も着れたな、明日も早い寝よう。」


「うん、じゃあお休み。」


「ああ、お休み。」




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