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14、ピートの能力


「久しぶりに能力使ったなぁ。最近刺客なんて来なかったし。えっとまずはナイフを回収して……。」


「ピート?」


「えっ……。ええっ!真由?なんで動けるの?」


「これピートがやってるの?」


「えっと。うん。僕の能力は時を止める事ができるんだ。だから父は王子の傍に居させた。命を守る為に。王子の両親も刺客に襲われて亡くなってしまったから。」


「そうなんや。」


「でも真由はどうして動けるの?」


「昔ユーリが私は能力の影響を受けない能力を持ってるのかもって言ってた。」


「そっか。ねえちょっと手伝ってもらっていい?」


「うん。何か縛るもの持って来ればいい?」


「そうだねお願い。」


私は急いで城の倉庫に行き中からロープを持ってきた。


「ありがとう。それじゃあ僕は王子を運ぶね。」


「うん手伝う。」


「ありがとう。」


固まったまま動かないユーリをベッドへ運ぶ。刺客はあの使われていない牢屋へ。


「いつも1人で?」


「うん。でもこの能力を使ったのは本当に久しぶりだ。まさか真由は動けるなんて。」


「良かった。」


「うん王子は大丈夫だよ。」


「それもだけどそれより、時を止めて1人なんて辛いわ。だから良かった私は動けて。この世界にピートを1人きりにするなんて…なんか嫌。」


「そんな事考えた事なかった。王子を守る事が僕の役目だから。そんな風に考えた事ない。でもありがとう。」



それからピートは時を止める事がかなり増えた。ユーリは命を狙われる事が多くなってまた笑顔が消え始めた。


「またなの?」


ようやくピートを見つけると庭だった。


「うん2人で剣の鍛錬してたらこんな事に。」


と目の前にいる男2人が目に入る。


「そっか。手伝うね。」


「ありがとう。」


「ピート?体調大丈夫?結構能力使ってるけど……。」


「うん大丈夫。それより真由は大丈夫?真由も昨日殺されかけたって。ごめんね僕は王子から離れられなくて。」


「私は大丈夫。ボディアタックからのコブラツイストからのジャイアントスイングだから。地の果てまで投げ飛ばしてやったから。」


「ふふかっこいいね。」


「騎士コースに行くからね!」


「真由は本当に素敵な女性になったね。」


ピートが私の髪に触れ耳にかけてピアスを見る。


「照れるな。ありがとう。ピートも素敵な男性だよ。」


「ありがとう。」




「真由!真由!」


ユーリが私の部屋の外で叫んでいる。扉を開けると嬉しそうに中に入ってきた。


「何?」


「俺、完全に能力を使えるようになった。切り替えができるようになったんだよ!」


「うん本当に良かった。私も嬉しいよ。」


最近ユーリは笑わなかったので本当に嬉しい。


「王子ー!」


とまた部屋に誰かが入ってきた……。ポール?どうして?とにかく王子を庇う、ドスっというナイフが刺さる感覚がある。でもここで倒れてはユーリを守れないのでそのまま自分の体からナイフを抜きポールの体に突き刺した。ポールの顔が歪み全く知らない男になった。こいつの能力か?でも男の動きは完全に止まったのでどうにかユーリを守れたようだ。


「真由!真由!大丈夫か?俺は無事だ!真由!」


「良かったユーリが無事で。」


とユーリの無事を確認して私は意識を手放した。



「真由。良かった目が覚めたんだね。」


「ピート。ユーリは?」


「大丈夫。元気だよ。今は王家の仕事をしてる。」


「そっか良かった。」


ピートが手伝ってくれてやっと体を起こす事ができた。


「もうそろそろ終わりだなぁ。ユーリの能力も上手くいってるし。」


「終わり?」


「うん。転移者とはいえ特に能力もないしそもそもおばさんだし、ユーリとは結婚しないつもりなのよ。」


「えっそうなの。」


ピートは驚いて私を見る。


「うん、王が言ってたけど学校はめちゃくちゃ警備が厳しいから学校に行く迄、命を狙われてるってだから私、学校に行くまではユーリを守らないとと思ってたから。」


「でもユーリと結婚する為に転移させられたんでしょ?どうして?」


「それがねユーリは未だに婚約者としては認めないっていうの。だから私は身を引こうって。」


「そんな…そんな事。真由は全てを捨ててここへ来たのに。」


「ううん、前の世界にはねもう何も残ってないの。家族も愛も大切な物は全て失ったから。だから捨てるものなんてなかったからそれはいいの。」


「そんな…そんな悲しい事言わないで!僕が居る!」


「ありがとう。本当に優しいね。ごめんなんか眠くなってきた。」


「まだ鎮痛剤がきいてるんだ。眠って。」


「うん。おやすみ。」




「だったら奪ってやる。王子から。」


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