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最終決戦

 




 闇の神を倒した影響で私は闇の魔法とスキルが使用できない。ムチの技は出せるので天使に愛のムチを繰り出す。バシーンッとムチが天使に当たったが鋼のような肉体に傷を負わすことも魅力させることもできなかった。天使は私に向かってパンチを振り落とす。ファビアンが間に滑り込むとパンチの勢いを利用して背負い投げを天使に繰り出した。ドーンと背中を打った天使は目を回す。


「○△$☆○!」


「土でコーティングもぐ〜」


 ウンディーネが水で天使を覆い、ノームがその上に土を被せて泥にした。天使はじっと動かなくなった。全身泥パックの息が吸えないバージョンだ。


 ーーあんな死に方私だったら嫌だな。


「ファビアンありがとう。助かったわ。背負い投げお見事ね」


「そんな。男が女の子を守るのは当然だよ」


 ファビアンは謙遜する。どこか表情が曇っていた。


 ーーやっぱりエミリーの事が気にかかってるのね。


 エミリーは操られたままでアーダルベルトとオットーがその相手をしている。ファビアンもそこに参戦しに向かった。


「よそ見している場合ではないぞ」


「危ないもぐ〜!!」


「我が主人!!」


 ズドーーーンッッ


 腹部に手を回され宙に浮かんだ。さっきまでいた床が光線を浴びて爆発した。私はダークに助けられた。


 ーー危なっっ!? え? あの床って大理石だよね。どんなけ威力あるんだよ!?


「ご、ごめんダーク」


「ご無事ならいいのです。気をつけて下さいね」


 よそ見は厳禁だった。


 ーーいかん。これでは役立たずだ。闇の魔法が使えないのが辛い。


 光の神はノームとウンディーネを相手に戦っていた。もう一体の天使はニクセが担当している。水の矢をバンバン放っていた。魔力が足りるか心配になったが杖を掲げて魔力を回復していた。翼に水の矢があたり天使は地面に落ちた。ファビアンがエミリーを羽交い締めすることに成功し、手の空いたアーダルベルトとオットーがニクセに合流する。天使に斬りかかるアーダルベルトとオットー。


 ーーいかん観ている場合ではない。私も戦う!


 床にゆっくりと下ろしてもらった。ダークを見上げると何処か表情が暗い。黒い瞳は光の神に向けられていた。


 ーーやっぱり生みの親でもある神様を倒すのは辛いよね。


 ダークに手を汚させる訳にはいかないと思い私は光の神へと走り出した。


「大地を揺るがす大いなる力。グランドクエイク!」


 ノームはどかどかと床を足踏みしてゴーロゴーロと寝っ転がる。土が床から生み出され光の神に直撃する。しかし、宙に浮かび威力を殺す。


「モグラは大人しく地面に埋まっていろ!」


「なんだともぐ〜。おいらはお前を倒して神になるもぐ〜。お前よりおいらのが年上なのに偉そうで気に入らなかったもぐ〜」


「……クソジジイはとっととくたばれ!」


 ーーノームのが年上だったのね。可愛らしいお爺さんだな。あかん。敬意を払えない。


 私はムチを構えて乱れ打ちを光の神に放ったが、宙に浮かぶ光の神に届かなかった。歪んだ笑みを浮かべて私を見下ろす。


「闇の魔女も力を失ってわ唯の役立たずか」


 ーー悔しい!! 光の神の言う通りこれでは役立たずだ!!


 ダークが私を庇うように前に出る。


「我が主人は役立たずではありません。ここまで来れたのも主人のおかげ」


 寂しげな背中に儚い灰色の翼を見て嫌な予感がした。ダークを戦わせてはいけないと本能が告げる。私はダークの片腕を掴んだ。漆黒の瞳は私を見て優しく笑う。


「……ダーク。どうしていつも笑顔なの」


 微笑んでばかりでは本心がわからない。大好きな表情が今ばかりは憎らしい。ダークは「そんなの決まってます」と目を細める。


「愛してるからですよシャーロット」


「っっ!?」


 ーー名前初めて呼ばれた。嬉しい。ものすごく嬉しい。けど、何故今なの?


 本当は冷静な自分は気づいていた。なのに見て見ぬ振りでここまで来てしまった。周りのせいにして考えるのをやめていた。


「神に見捨てられた私はずっと分かり合える人が欲しかった。あなたは私の理想の人です。いつまでも生きてください。そして、さようなら」


 腕が離れていく。笑顔がなくなる。私の愛した初めての……


「ダークッッ!?」


「……何のつもりだ?」


「私は貴方を1人で死なすのは可哀想かと思ってます。私もお伴します」


「……どいつもこいつも私を哀れむのだな。……だが、悪い気はしないな」


 引き止めたかった。灰色の翼は遠くへと羽ばたき光が眩しくて見えなくなった。白く染まる視界。キーンと耳鳴りがした。




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