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天使との戦い

 




 夜空から青空へと変化する。闇の神を倒した事により世界の崩壊が始まったのではないかと、空を駆ける私達はその変化に焦りを感じた。ダークが私を運びながら、落ち着いた声音で喋り始める。


「すぐには滅びません。皆さま御安心下さい」


 ダークは一回は闇の神が消滅した瞬間に立ち会っているから言うことに信憑性がある。私達はほっと安堵の表情になる。


 アーダルベルトが「なあ。神秘のワンドが無くなったんだが知らないか?」と火の神こと赤いドラゴンに問う。


「我は神となった。精霊の様に使役することが出来なくなった故に神秘のワンドは我の中に還った」


「え? 使役出来ないってことは召喚出来ないってことか!? 俺から王位がまた遠のいた!!」


 頭を抱え込むアーダルベルトに私は飽きれた。


「この期に及んでまだ、王様になるの諦めてないんだ。それよりも世界を救うことを考えなさいよ」


「……もちろん世界は救うが。だがなぁ。はああぁぁぁ。まあいいや」


 意気消沈する姿にイラッとした。ニクセが「大丈夫ですよ。俺もファビアンも精霊を召喚出来なくなるので自ずと殿下の立場は守られます」と励ました。


 ーー情け無い。男なら堂々と構えてなさいよ。それよりも、気になるのがダークよね。


 私は只今ダークにお姫様抱っこして運んでもらっている。恥ずかしいが我慢だ。


「……ダーク。消えないよね?」


 消えるという言葉に息苦しさを感じた。


「……ええ。もちろんいつまでも貴女の側にいます」


 ダークは私を落ち着かせる様に優しく微笑んだ。私はその言葉を信じようと思った。ダークはもう私を裏切ることはしない。


「……信じるわ」




 * *



 眩い光が私達の肌をジリジリと焼く。紫外線が痛かった。日焼け止めクリームとサングラスが欲しい。私達は太陽みたいな光の発生源へと向かうべく上空を飛行していた。ニクセが「このままでは熱くて近づけません」とシルフに喋る。


「でわ。ウンディーネを召喚して下さい。私が彼女を支えます」


「わかりました。いでよウンディーネ!」


 空に青い魔方陣が描かれてその中からウンディーネが落ちてきた。シルフは風を操りウンディーネをふわふわと浮かばせた。


「○△$☆○△!!」


「暑い!! と言ってます」


 ダークが訳した。

 ウンディーネは空気中の水を操り光と私達の境界に水の膜を浮かべた。体感温度が下がり快適になった。


 光の発生源へと近づいていくと、洋風のお城が浮かんでいた。城を守る天使が私達を見下ろす。私は嫌そうに天使を見上げた。


「……天使との戦闘って回避できない?」


「闇の神が消えて魔物はもういませんし出来ませんね。戦うしかありません」


「やっぱりぃぃ。はあ。めんどくさい」


 天使が私達目掛けて降りてきた。白金色の短い髪に瞳の筋肉マッチョなお兄さんです。


「立ち去られよ。神に近づくことは何人たりとも許されない。……貴様ダークか?」


「はい。貴方の先輩です。敬意を払いなさい」


「ぬかせ。貴様に払う敬意などありはせぬ。光の神に逆らう者など消し去ってくれるわ」


 ▼戦闘が開始されました。と表示される。


「サンダーランス!」


 天使のお兄さんは雷の槍を生み出しダーク目掛けて飛ばしてきた。


「風よ! かの者を守れ!」


 シルフが雷の槍の軌道を風を操ってずらしてダークを守った。自然とダークにお姫様抱っこされている私も守られた。


「ありがとうシルフ!!」


 ーー精霊の時と違って空気読めてる凄い!


 赤いドラゴンが炎のブレスを天使めがけて吐いた。炎を浴びた天使は無傷だった。


 ーーそりゃこんな暑い場所にずっといたら熱に強いわな!


「ウンディーネ! 攻撃して下さい! 歌声以外でお願いします!」


 ニクセはウンディーネに指示を飛ばす。


「@#○△!」


「仕方ないな! と言ってます」


「☆♪$☆○△$☆○△」


 ウンディーネは天使の頭上から巨大な水流を生み出す。バケツの水をぶちまけた様に落下する水流は天使を地上へと落下させる。


「くそっぉぉぉ!?」


 天使は足掻いて翼を動かすが濡れた翼では飛べない。▼戦闘から離脱しました。と表示され、そのまま私達の前から退場した。


 ーーわーーお。爽快ね。


「ウンディーネよくやりました」


 ニクセはウンディーネを褒めた。ウンディーネはご機嫌になり歌い始めたのでダーク以外の男性陣は慌てて耳を防いだ。





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