幼馴染として
誤字・脱字があるかも
side:紅葉
まぁ、竜人種が戦闘種族かどうかは置いておくとして
「で、シウマ、俺や春馬を戦いに出してくれるのか、くれないのか、そこんとこどう考えているんだ?」
「た、確かに・・・クレハ様は幼少の頃から、その年齢では考えられない強さでしたが!今ではその記憶さえ無いんですよ!も、もしもの事があってはスカーレット様に顔向けが・・・」
「あるぞ?」
「出来ないでは・・・って、はい?」
「戦いの経験だろ?あるぞ、本当の殺し合いをしたわけじゃないけどな」
「本当ですか・・・?クレハ様?」
「シウマよ、よぉく思い出してみぃ。ワシがクレハだと認識し、飛び掛かった時にそれを蹴り飛ばしたのは誰じゃ?」
「・・・クレハ様です」
「じゃろ?身体強化無しであれ程の蹴りを出すには相当の訓練をしたのじゃろう、今思い返せばあの技・・・スカーレットが編み出した技じゃったのぅ」
ジジイはこっちを見ながら言ってくる。
「正解だ、あの『乱脚』は母さんが考えた技だし。ジジイの言ってる通り、俺は母さんや焔さん達に鍛えられてな、春馬も興味本位で一緒に鍛えられたんだ。だから、戦いに関しては自信があるし、その身体強化ってのを使えれば、もっと強くなれるんだろ?これでもまだ心配か?」
そう俺が言うと、シウマは少し考える。
「・・・分かりました。流石にそこまで言われたら、私ではダメとは言えません。ですが」
シウマはまた少し考え。
「魔法の訓練を終えてからです!いくら近接戦に自信があっても、魔物によっては魔法を使ってきます。それに対抗するには、やはり魔法です。ですから、魔法を使えるまでは許しませんよ私!」
そう言いながらシウマは頬を膨らませ、両手を組み、女みたいにプイッてする。
正直言って、老人がそんな事をすると気持ち悪い・・・
「わ、分かった。まずは魔法、まずは魔法な」
「はい、魔法さえ使えてもらえば文句は言いません」
「よし!早速魔法の練習を・・・」
「待って!」
俺がシウマに練習を頼もうとすると、柚子っちが止めに入ってくる。
それに、炎や摘姫もだ。
「どうしたんだ?柚子」
「どうしたもこうしたもないよ二人共!ハルちゃんも紅葉君も危ない事をしようとしてるんだよ!だったら止めるに決まってるじゃない!」
柚子っちの言葉に俺達は少し驚く、だけど
「柚子、心配無いって、シウマさんの言う通り魔法が使えるまでは戦いには行かないよ。それに、ダンジョンって頻繁に出来るわけじゃないんだろ?シウマさん」
「は、はい!前回出来たのは二ヶ月前ですし」
「な?だから心配する程の事じゃ・・・」
春馬の言葉を柚子っちが遮る。
「・・・が・・・れば・・・でしょ・・・」
「え、何て・・・?」
「魔法が使えれば良いんでしょ!だったら私も戦うよ!」
は?柚子っちは今何て・・・
「・・・柚子?」
どうやら春馬も言われた事を理解してないようだ。
「私も!ハルちゃん達と!一緒に!戦うよ!」
柚子っちはもう一度強く、俺達に向かって叫ぶ、顔を涙でグシャグシャにして
「だ、ダメだ!柚子に何かあったら!・・・」
春馬も強く言うが
「同じだよ!私だってハルちゃんや紅葉君に何かあったら嫌だもん!だって・・・」
柚子っちは涙を拭い・・・
「だって私達、幼馴染で小さい頃から一緒に育った家族みたいなものじゃない・・・!」
柚子っちの言葉に俺達は気づかされる・・・
この娘は俺達二人の事を本気で心配して、一緒に戦ってくれるのだと。
そう思っていると、俺の服の裾が引っ張られる
「くぅ」
「・・・くぅにぃ」
「炎、摘姫・・・どうし・・・」
炎と摘姫は俺の言葉を遮りこう言う
「私(炎)達も一緒に戦う・・・!」
「な・・・!」
『 何言ってるんだと!』言いそうになるが、炎や摘姫も俺達を本気で心配して言ってくれてる・・・そう思うと
「分かった・・・でも」
俺は二人を抱きしめながら
「危ない事は絶対にしないでくれ・・・!」
「うん・・・!分かった」
「・・・くぅにぃ・・・!」
二人を抱きしめながら春馬や柚子っちの方を見る
「柚子、分かったから泣き止めって・・・」
柚子っちは春馬に抱きつきながら微動だにしない、春馬は恥ずかしそうにこちらをチラチラ見ながら柚子っちをなだめている。
ジジイ達を見ると
「デリアリーデ様、彼等は本当に良い仲ですね・・・」
「うむ、昔のスカーレット達を思い出すぞい・・・」
ジジイ達は懐かしむようにこちらを見てきていた
次回の投稿は少し遅れるかもです!




