召喚された理由
今回からside分けをします
誤字・脱字があるかも
side:紅葉
『異次元箱』
契約石:戦乙女
ふむ、まずは整理だ。
俺は今初めて、この異次元箱の使い方をしった。ということは、記憶喪失になる前の11年前の俺が入れて、今に至るってわけか。
「クレハよ、いったい何が入っていたのじゃ」
ジジイが中身を聞いてくる。まぁ、ガキの頃の俺が入れたと思っているなら当然かもな。
「契約石・・・かな、そんな物が入っているんだけど」
「け、契約石じゃと⁉︎」
「あ、あぁ、何かマズイのか?」
「い、いや、マズくはないのじゃが・・・、ちなみに、何の契約石かの?」
「何のかは分からないんだけど、契約石の後に”戦乙女”って書いてあるんだけど、これか?」
「ふむ、戦乙女・・・か」
名前聞き、ジジイは少し黙ると
「クレハよ、契約石の説明は後でもいいかの?。部屋も変えたい」
「まぁ、いいけど・・・」
ジジイが話し終えるとシウマが話し始める。
「皆さん遅くなりましたが、そろそろ私達が召喚を始めた理由をお話しします」
シウマの言葉で俺達は身を引き締める。
「十数年前、私達の世界は種族同士の争い以外では平和でした。”迷宮神”が現れるまでは・・・」
「迷宮神?」
「はい、何故か理由も無く、所々に迷宮を創り出し、魔物を生み出し続ける。人々の脅威・・・さらに、迷宮は街、村にも創り出されます」
「最悪だな、そんなとこに創られたら町民や村民まで巻き込まれる・・・そして、魔物の餌となる」
「えぇ、ですから、このデリアーク王国を含めた各国で迷宮神討伐同盟を組み、迷宮神を討ちに向かいましたが・・・」
「負けた・・・と」
「いえ、決して楽とは言えませんが、何とか迷宮神を討ち取ることに成功致しました、ですが・・・」
「ですが・・・?」
「迷宮神は不死身でした・・・我々がどれだけ攻撃を加えても決して絶命には至りませんでした・・・そこで、我々が考えついたのは古来より伝わる・・・」
シウマは少しためて
「勇者召喚です」
「やっぱりか・・・」
シウマの説明が終わると、ジジイが
「やっとのことで召喚したら、あのカズハじゃったんじゃ・・・はぁ」
ジジイが疲れたように溜息を吐く、親父は何をやらかしたのか・・・
「ま、まぁ、カズハ様のお蔭で迷宮神を討ち取る事が出来ましたし」
「ん、そうなのか?」
「えぇ、カズハ様の勇者称号は『全魔の勇者』全種類の魔力を使えます。まさに、迷宮神を討ち取る存在だったんです」
「全種類て・・・」
確か、俺は雷、春馬は氷、柚子っちは風、摘姫は闇、炎は火だったはず・・・、それをあの親父は全種類・・・か、ん?
「だったら何で、俺達は召喚されたんだ?。迷宮神が討伐されたんのなら、今はその種族同士の争いか?」
「いえ、種族同士の争いも未だに絶えませんが、それをも凌駕する事態が」
他に何か・・・あ
「まさか、迷宮神が蘇ったーとか?」
冗談半分に言ってみると
「・・・は、はい、まさにその通りです・・・」
俺達は顔見合わせる。
「それで?迷宮神を倒せば良いのか?」
「し、召喚するまではその考えでした。でも、召喚されたのはクレハ様達でした、で、ですか・・・」
「ですから、俺達には戦いには出てほしくないってか?ふざけんな」
「・・・え」
俺はシウマの言ってることに腹が立って来た、
ちらっと春馬の方を見てみると、どうやら春馬も俺と同じ考えらしい、少し青筋が出ている。
「確かに、柚子や炎ちゃん、摘姫には俺や紅葉は戦うことには反対だ、だけどな」
俺と春馬は頷き合う
「「俺達を戦いに出さねぇっつーのが気に食わねぇんだよ!!!」」
「「・・・はぁ⁈」」
せっかく異世界に召喚されて、魔法が使えて俺TUEEEEが出来ると思っていたのに、戦いに出してもらえないなんて・・・ふざけんじゃねーよ・・・
「よ、要するに、戦いに出せ・・・と?」
「あぁそうだ、魔法が使えるようになるのに戦えないなんて拷問じゃねーか」
「ふ、ふははははッ!、自ら戦いに出たいだなんて、クレハもやはり竜人種じゃな!」
ジジイは嬉しそうに笑っている。竜人種って戦闘種族なのか?
まだまだ説明したりない・・・




