神様の嫁になりました。
彼と出会ったのは、中学2年生の時。転入してきた彼と同じクラスだった。そんな彼の名前は、神白碧。そして、私は東雲華流。
転入してきた彼は、なぜかジッと私の顔を見ていた気がする。今思えば、だけど。
サラサラの漆黒の髪と藍色の瞳、白い肌。すらりとした体つきで背の高く、綺麗な顔の彼は一躍有名にそしておモテになった。
対して私は、普通。
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そんな彼とはとなりの席となり、不自然なことにずっと隣。高校も一緒で、隣。
おかしいな、偶然にしてはと思いきややっぱり偶然ではなかったらしい。
高校卒業後、彼は私を引っ張り近くの神社へと連れてきた。
あ~小さいころここでお願いしたっけ。いろいろと、と思っていたら
「願いごと、叶えないとね。」
「…はい?」
「ほら、願いごとしたでしょ、素敵な人と結婚って」
うわぁぁぁぁあ!恥ずかしい思い出!
たしかに、ウェディングドレスとかあこがれてたけど!
「なんで、神白くんが!」
知ってるの、それに叶えるの!
「だって、僕…ここの神さまだもん」
だもんって、可愛いなっ!
じゃなくって、神様?!
「叶えるのが通でしょ?」
「じゃぁ、他にも願った人とかいるんじゃないの?」
きっと、いるよ!ええ、いますよ!
「ん~いるけど、僕も好きな子とじゃないと、ね?」
それは、私を好きってことですか?!
いやいや、平凡ですよー普通ですよー。
「いやいや、可愛いよ。だから、男近づけさせないようにいつも隣にいたんだけど?」
まじ?マジですか、えぇと…。
と、額にキスされる。
「はい、嫁確定。もう、逃げられないよ?」
逃げたら、神気漂わせちゃって食べられちゃうよ?アヤカシにって!怖い!
ひょいと抱っこされ、社に入ってゆく。祠の鏡に触れると、気づけばそこは見知らぬ世界。
「ひぇ」
「綺麗でしょ、ここ天界だから」
たしかに、綺麗。でも、天界?!
驚きしかないし、ちょっと。
「君はまだ、人間。だけど、僕と交わることによって神に近づくから大丈夫。ずっと一緒だよ」
「まじわっ?!」
「うん、子ども産めるよ。願いから生まれる神が多いけど、神から産まれる神もいるから、ね」
それはそれは、って…子ども産めっていうことですか?
「ふふ、君も神の仲間入りだよ。ほら、願いごと。神さまになりたいって」
ヒギャッ!昔の恥ずかしい思い出!
なんだかんだで、願いごと叶えてくれてたんだ。というか、覚えてない願いごとですが。
あは、あははは。
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