最終部15章「夢魔の見る夢」3話「食事の風景」
「ほらぁ、どうしたのかしらぁ? 早くしないと・・・食べちゃうわよ?」
私は攻撃を避けながら挑発をする。これが強敵が少数だったり、この後のことを考えなくてもよいのならばこちらから攻撃するのもありなのだけど、この状況ならば回避に専念して吸い尽くす方が効果的
問題は攻撃するのに対してわずかながらに時間がかかること・・・そこは竜の坊やに期待しておきましょう
「ひるむな! とにかく攻撃を! 攻撃を当てるんだ!」
そして攻撃を当てるといいながら攻撃を繰り返すことに夢中になってくれればなおありがたいわ。私としては攻撃の頻度が上がるよりもタイミングを合わせての飽和攻撃のほうが面倒なところ。私は竜の坊やたちみたいに頑丈じゃないからね。それにやっぱり敵のエネルギー消費量が減るのは吸い尽くすまでの時間がかかるということにも繋がるわ。この後のことを考えれば食事の量が少々減ることになっても可能な限り無傷で、かつ短時間で多くの精気を蓄えてエネルギーを限界以上にしておきたい
焦れる気持ちを抑えながらも、私が思う最適解のためにひたすら回避しながら挑発をし続ける
「ほらほらぁ、もっと早く打ってこないと当たらないわよぉ」
少々体力があるぐらいの相手ならばいいけど、新たに追加されるのは面倒ね。吸収範囲を広げればちっかうの吸収量も増やせるし早くはなるけど、ほかの近くにいる子・・・光の女神様あたりが範囲内に入ってしまう危険があるわ。おそらく向こうはかなりの激戦のはず。余計な負担があると命取りになるわね
ここまで来たら犠牲にはしたくない・・・私も随分と甘っちょろくなったわ。これも量の坊やの悪影響かしら? でも不思議とそれが悪くないとも思える
「ふ、ふざけるな! 攻撃の1つもせずに!」
「ふふっ、精気を吸い取られているだけでバタバタ倒れていく雑魚に言われてもねぇ? 悔しかったら私に指一本ぐらい触れてみなさい」
あらあら、本当に悔しかったみたいね。あの子は、あの子だけでなく大部分が遠距離攻撃だったのが直接殴り掛かってくるなんて・・・でも
「ご馳走様・・・美味しくはなかったけどおなかの足しにはなったわ」
私は夢魔よ。当然、体に直接触れている方が吸収量は大きく跳ね上がる。これが竜の坊やクラスだったらキスかそれ以上でもしないと吸収しきるのはまず無理だけど、あの子ぐらいだったら少しでも降れたら一瞬よ
そうして腰が引けた連中を最後まで絞りつくして・・・ごめんなさいね、夢魔にだって好みがあるのよ。あなたたちには指一本以上のおさわりは許す気ないの。そして
「さて、いよいよ本命の・・・えっ?」
大仕事前の最後の関門。レオンが送り込んだ私の本命の相手・・・そう構えていた私の前に現れたのは想定外の敵だったわ
ということで今回で前哨戦は終わって
アキ「ぐぬぬぬ、リュウト相手でも指一本触れる出ないわ!!」
あ、あの一応それらはルーンの攻撃でして・・・サキュバス系のドレイン攻撃って結構一般的
アキ「関係ない! だって今回の敵は嫌だって。りゅ、リュウトだったら良いってことじゃないの!」
ま、まぁ、実際にリュウトにキスしたことありますしね。あれは今戦っている本体ではなくて分体ではありましたが
アキ「全員で絶対に報復するんだから」
全員って・・・ああ、リュウトの恋人全員集合させたのね。ってなんで攻撃対象が僕!?
アキ「作者だから! ルーンの前にお仕置きしておかないと・・・ってことで今回はここまでだよ。一応、本当に一応次も見に来てね。だっていつリュウトの出番になるかわからないから」




