最終部13章「氷炎の乙女たち」1話「兄妹は心配性」
もう何度同じ事を思っただろう。今日、この一日だけで戦いに残る仲間を背に先に進むのは
「リュウト、次は私が残るよ。お姉ちゃんも残ったしね」
きっとメイはできる限りアキを後に回したかったのだろう。レオンのことだから後の方が強力な敵が出てくる確率が高そうであり、また戦わずにすむという芽は先ず無いだろうと分ってなおアキが戦うのを先延ばしにしたかった姉心。そしてそれは俺もまた同じだ
「大丈夫よ、私は1人じゃないから」
そう言って自分の腹部に手を当てるアキ
「だからリュウトも約束忘れ・・・」
「ちょっと待ちなさい! あ、あんたいつの間に・・・まさか、ちょっと前にメイがワタシたちを足止めしたのって・・・」
アキの言葉を遮ってリデアが怒る。う~ん、俺としてもこれに関しては居心地が悪いというか・・・ニヤニヤしている女神と淫魔もそこにいるんだが
「リデア! もう! 私が凄く大事なことを言うところだったのに!」
「だ、大事なこと!? な、なによ、それ!!? ま、まさか、告白・・・は今更だけど、プロポーズとか」
ん~、それは俺もアキもそう言えばしたことがない? そもそも俺ってエルフの国に国籍あるのか? そう言う意味ではすでに全員と結婚しているとも言えるような言えないような・・・だが、恐らく今回アキが言おうとしたのはあの時にした約束のことだろう
「アキ、大丈夫だ。約束は必ず守る。だから、アキも必ず生き残ってくれ!」
誰が犠牲になるのも絶対に避けたい。だが、もしも俺が絶対に生き残るものを1人選べるのならば、その時はきっとアキを選ぶのだろう。それぐらい彼女は今の俺にとって大事な人だ
「リュウト・・・うん」
真っ赤になって頷くアキ。この場にずっと残りたい、そう言う思いを振り切るように前を・・・
「あ~もう! 兄さんの心配性も大概ね。ここはワタシも残ってあげるわ」
「「リデア!?」」
そんな一言に驚いたのは俺だけでなくアキも同じで
「リデア、私はそんなに頼りないかしら?」
「そ、そういうわけじゃないけど・・・に、兄さんが心配しているから行けないのよ! 兄さんが全力を出さない状況は良くないわ、うん」
リデアの言っていることは間違いではないが、きっと何だかんだ言ってリデアにとって一番仲が良いアキが心配なんだろう
「リデア」
「分っているわよ。ワタシが絶対にアキを生き残らせてみせるわ。この身に変えてもイタッ!?」
分っていない妹に拳骨を一つ落とす
「アキが助かればそれで良いなんて誰が言った。2人とも必ず生き残ってくれ・・・約束できるな?」
「兄さん・・・ええ、任せて! その代わりに兄さんもよ!」
リデアが突き出してきた拳に俺の拳を合わせる。そんなやり取りにアキが面白くなさそうにしているが・・・俺に如何しろって言うんだろうな?
「リュウト君、そろそろ良いかしら?」
「あら? こんなやり取りを止めるなんて光の女神様も野暮ってものよぉ。そのうち、ウフフでアハハーンなシーンも見せて・・・」
あっちはあっちで拳骨を貰っているようだな。まったく、決戦の最終盤にきてこんなやり取りをするなんてな・・・俺たちらしいこんな日々を絶対に守るってそう強く思わせてくれる奴らだよ、本当に
と言うことでこの章はアキとリデアの話しです
リデア「ちょっと! なんでワタシがアキとセットなのよ!?」
アキ「それは私のセリフ! 私、メインヒロイン!!」
ま、まぁ、物語の都合上2人が同じ場所にいてくれた方が良いというか
リデア「そんな凄い理由があるわけ?」
(スッと視線をそらす)
アキ「ぜ~ったいそんな理由無いよ!? 長くなってきたから2人を一気に消化しようとかそんな感じだよ!?」
さ、さぁ? どっちなのかはこの先で読者様に判断していただくとしましょう。と言うところで今回はここまでです。次回もまたよろしくお願い致しますね~
第18回AIで作成してみよう コクト=エンジェル
コクト「ムッ、俺か」
見た目は比較的正当派な騎士ですね。勿論普段は顔にもフルフェイスをつけていますが、それだとただの黒い甲冑ですので今回は外しています
コクト「・・・俺の顔など意味は無いと思うが」
作中でも地味に顔は一番良いんですよ!? まぁ、体の方は悪魔の血が強く表れていて黒い体毛に覆われている・・・なんて言う設定もありますが
コクト「一応言っておくが、それを隠すために鎧を着ているわけではないぞ」
元々は暗黒騎士ヘル時代にレミーから正体を隠すための物を気に入っただけですからね~




