最終部11章「闇への回帰」4話 「悪い魔女」
明らかに暴走していたリリカをひとまず落ち着けようと後ろから抱きしめた。そして、あの女があたしの最大の棘を刺激して後に感じた痛み、そして熱さ。それがリリカに刺されたのだと理解した時にあたしが感じたのはむしろ安堵だった
「お姉ちゃん・・・私、なんで・・・」
あの女、『復讐をそそのかすもの』の能力はまさに名前の通りなのでしょう。そして復讐に我を失いかけていたリリカはまさにその能力でそそのかされた・・・いんや、その復讐の刃が向かうべき正当な相手を貫いただけ
「気にすることは無いさね。リリカのやったことは間違っていない」
「嘘、違う、そんなはずない。私はお姉ちゃんを恨んでいるわけじゃ・・・」
それでいい、いくらレオンの手のひらの上だったとはいえルナさんを殺したのは間違いなくあたし。言い訳のしようも無く恨まれて当然のあたしのことをそそのかされてつい出てしまった程度に、心の底に僅かであったことはむしろ嬉しいこと
「お姉ちゃん、血、早く止めないと・・・」
元々人間のあたしは竜の坊やのように血が足りなくても問題が無い耐久力は無い。そもそも魔法使いなんて言うものは物理防御も体力も無いもの。リリカが万が一のために持っていた護身用の杖はあれでもルナさんの遺品だから、それなりに強い力を持った魔道具で
「このタイミングで巫山戯た真似をするんじゃないさね!」
それでもこれが好機とリリカを攻撃しようとした雑魚共は許せない。回復をかけてもジクジクとにじみ出る血に若干意識をもうろうとさせつつも灰にする。あはは、リリカを守って、それで死ぬ。これならばルナさんに許してもらえるかな
「あらぁ、怖いわね。そんなにレオン様に復讐したい? でもね、あなたの復讐相手も本当にレオン様かしら? 本当はあなたの相棒のヒッ!?」
「ごちゃごちゃうるさい口さねぇ。こっちは復讐なんてどうでもいいのさね」
レオンがルナさんを試そうとしたのは事実、ルナさんが狙われたのはルーンと関わったからと言うのも事実。でも、あたしの復讐相手なんてあたしに決まっているでしょう? そして、今こうやって戦っているのは復讐のためなんかじゃなくて
「お姉・・・ちゃん?」
「大丈夫。あなたは何も悪くない。全部あたしが悪い」
何時だっただろう? 最後にこうして泣きそうなこの子の頭を撫でながら、こんなことを言ったのは? いつからだったろう? この子があたしにこう言う顔を見せてくれなくなったのは
100万年以上もの間、ずっと向き合わなかった、この最低限を壊したくなくて逃げ続けてきたツケがこれならば安すぎる
「まだもう少しの間は死ぬわけには行かないさね。あんたたちを皆殺しにするまでは!」
それ以外に守る術を知らないから。この子の姉である手段がないから
だから泣かないで? あなたから全てを奪っておいて姉面してずっと近くにいた悪い魔女はもうすぐいなくなるから・・・
ずっと触れられてこなかったこの姉妹の闇も深いですね
ルーン「本当、もっと気楽に生きるべきなのよぉ」
いや、あなたも中々重いですよね? かってのレオンを助けるために好きな相手であったレオンを殺そうとしているわけですよね・・・途方もない時間
ルーン「そこで乙女の年齢を言うような真似したら分っているでしょうねぇ?」
乙女がどこにいるかは存じませんが、あなたの年齢も秘密のベールのうちですからね・・・数字が大きすぎて
ルーン「・・・最年長ではないのよ?」
あなたより上はマルトぐらいしかいないでしょうに。それも今生きているとは言いがたいし・・・後は記憶が全部あるならリデア? それも無理が
ルーン「予告はしておいたわよねぇ。さ、お楽しみの時間よ?」
それはお楽しみじゃなくて捕食だ~~~!? え、えっと生き残れたら次回もお願いします! お絵かきコーナーはちゃんとありますよ~
第4回AIで作成してみよう ユキ=フローズン
ユキ(表)「もう1人の私なのです、格好いいですよ」
ユキ(裏)「表のユキね、可愛いわ」
ユキ`S「・・・」
人格が違うだけだから基本は同じ顔なんですよね~。ユキの顔は大体こんな感じで補足することは少ないのですが、表は可愛らしい雰囲気で裏は凜々しい雰囲気です。これがどっちなのかは読者様にお任せ致します




