最終部9章「天使たちが願うもの」6話 「母娘の会話を」
「しっかりしなさい、堕天使レミー」
攻撃が集中したのに痛みも衝撃もなくて、聞こえたその声にわたしは・・・ううん、もう1人のわたしも前を見る。そこにいたのは純白の羽を広げてわたしたちを守ってくれた
「何の用よ、レリューナ」
れ? えっと・・・そう! 助けてくれたのはわたしたちのお母さん! もう死んじゃっているみたいだけど。また前みたいに助けに来てくれたんだね
「お母様です」
「・・・えっ?」
「お母様です。以前の時はあなたはそう呼んでくれました」
「気に入っているんじゃないわよ!?」
ム~? クルって振り返ったお母さん、なんか笑顔だけど・・・ちょっと怖い? それにもう1人のわたしの口調も変わった? でも、何時もと同じ? ム~?
「お母様ですよ?」
「あ~、もう! わかったわよ! お母様!!」
「よろしい」
でも、きっと2人はすっごく仲良しなんだよね! でも
「我らを無視するな!」
って急に叫んだ・・・えっと、誰だっけ? でも、仲良く話しているところを邪魔したら駄目なんだよ~
「まったくです。しつけのなっていない駄馬ばかりとは情けないものです」
「・・・わたし、何も言っても考えてもいないわよ?」
「あなたではなくレミー、天使の方のレミーです」
えっ?
「なんで、わたしにも分らないレミーの考えが読めるのよ」
「お母様だからです」
「・・・なんなのよ、一体。それに気に入りすぎでしょ・・・マリアじゃないんだから」
違うよ、もう1人のわたし? まーちゃんはお母様じゃなくてお姉ちゃんって言うんだよ~。えっへん、レミーちゃんの方が記憶力良いよね?
「ふっ、我らを駄馬と呼んだか? まさかな、そこの娘のことだろう? くはは、それとも自分自身のことか?」
「なるほど、そうですか」
「・・・アレで怒らないのはさすが天使なのかしら?」
ム~、今スッゴくビビッてきたよ。お母さん、確かにスッゴく笑顔なんだけどブルブルってクルこの感じ・・・レーチェル様が本気で怒る直前とおんなじ?
「言うに事欠いて私の自慢の娘たちが駄馬? 甲斐性の無い私の夫ならばいざ知れず、あの子たちが・・・フフフ、そうですか」
「あ~、わたしにもわかったわ。だからレミー、心の内で震えないでちょうだい。わたしまで怖くなるでしょう」
「何を言うのですか? 私は優しいお母様です、怖くありませんよ? それにあなたは幻術使い、世界を騙す嘘つきでしょう。それでは少々素直すぎますね。大好きじゃないんだからね! 当たりにしておきましょう」
「・・・わたしはリデアじゃないわ」
ム、ム~、もう1人のわたし、表面上は落ち着いているけど体震えているよ~。わたしも怖いよ~
「さぁ、レオンが作った駄馬ごとき生きている価値はありませんね。レミー、堕天使レミー、一緒にあいつらを『滅ぼしましょう』」
「本当にそれが口癖なのね」
ム~、そう言えばお父さんがそんなことを言っていた? でも今表に出ているのはもう1人のわたしで・・・どういう事なんだろう?
と言うことで今回はほぼ進展は無し・・・そしてレリューナさんの恐ろしさの一端が今
レーチェル「本当、昔から怖かったのよ、あの人は」
なんで分類天使なんでしょうね、あの人
レーチェル「種族と性格は一致するとは限らないのよ、傾向はあるけど」
堕天使レミーが生まれた原因、父親じゃなくてレリューナさんの方かもですね
レーチェル「・・・ありえるわね」
登場回数と描写が少ないだけで最怖の人はレリューナさんかも? レーチェルも彼女の影響でこんなに怖く・・・いや、関係ないかな?
レーチェル「作者君? はぁ、最後はやっておくからあなたは先に行っていなさい。いえ、送ってあげるわ、勉強部屋に・・・ということで作者くんの再教育をするから今回はここまでよ。次回も私たちの子を見に来てあげてちょうだい」




