最終部9章「天使たちが願うもの」3話 「それも才能?」
おそらく今までみんなが相手にしていた敵は気配からしてトワメルが作ったキメラたち。それもけして弱い存在ではないけど目の前にいる存在、『錯乱を広める者』と比べてしまうと
「ム~? さ、さく・・・?」
(『錯乱を広める者』よ)
本来、わたしが無理に仮面を被ってシリアスな空気を演出しなくても過剰なほどに緊迫しているはずなんだけど
「あっ、わたしそれ知っているよ~。ピンク色の綺麗な花だよね」
(・・・それは桜ね。桜じゃなくて錯乱よ)
レミーにしては珍しい花を知っているけど、今は関係ないわ
「ム~、じゃあ蘭の一種?」
(サク蘭でもないわ。と言うよりも花から離れなさい)
「ムム~、でもこう言うのって良いね。なんかリーちゃんとアイちゃんみたい?」
(わたしはあなたと漫才をやっているわけではないわ)
なんでこうなるのかしらね? ある意味この子の才能かも知れないけど
「とにかくわたしは負けないんだから~。いっくよ~桜モンスター」
きっと、ここで名前が変わっているわとか桜じゃないって言ったでしょうって突っ込んだら負けなのでしょうね。思考があっちこっちに無軌道に進むのはもうどうにもならないわ
「何をごちゃごちゃと独り言を」
「独り言じゃないよ~」
わたしの声は『錯乱を広める者』には聞こえないからあの反応は当然ね。でも、レーチェルやルーンの話しでは創造主であるレオンに対する忠義と自身の概念以外を持たないはずの概念から造られた龍。竜族がリュウトの心やリデアの氷のように自然的な概念から生まれたのに対して龍族は人為的な概念で造られている傾向があるとは聞いている。そんな存在にあんな反応をさせるのはある意味才能なのかも知れないけど・・・凄いはずなのにちっとも凄いとは思えない才能ね
「ふむ、馬鹿の相手をするだけ無駄だったな」
「馬鹿って言う方が馬鹿って聞いたよ~~!」
(・・・誰から聞いたのよ、そんな子供のようなこと)
「リーちゃん」
ああ、リデアならば言いそうね、そういうこと。彼女、全部覚えているわけではないけど前世からの記憶で言ったらわたしたちの中でぶっちぎりの最年長のはずなんだけど。それに彼女自身結構馬鹿って言うような・・・ああ、納得したわ
「錯乱さえ効かぬ愚か者でだったのだろう?」
「ム~、怒ったよ~シャインレイン!」
「光の基本技とは舐めて・・・ヌッ!? 違うこれは幻影の!? なるほど、フェイク程度は入れてくるか」
惜しいわね、そのファントムレインならば当っていれば多少のダメージにはなっていたでしょうに。でもね・・・その子、本当に間違えただけだと思うわ
「ならば我からも・・・」
レミーの周囲をぐるりと囲むように放たれた攻撃。後方や斜め上にも展開されているところを見ると転移系も混ざっている? 唯一、真上だけが開いていて天使には羽がある・・・見え透いた罠ね。でも
「えっ!? ムム~~~!」
「結界で耐えた? その攻撃が誘導であることに気づいただけでなく威力が無いことも? 見た目道理の愚か者ではないのか?」
「えっへん! レミーちゃんは賢いんだよ~」
動揺しているところ悪いのだけど、これだけ言わせてちょうだい。その子はあなたが今思っているような巧者でもトリックスターでもなく・・・あなたが思っている以上に馬鹿なだけよ。自分が飛べること何て覚えているわけないじゃない
2話、2話まではなんとか持っていたんです
リデア「? 何を言っているのよ」
やっぱり、やっぱりレミーが絡むとギャグに・・・
リデア「・・・あの子にまともを期待するだけ無駄よ。ところで! なんでワタシがお馬鹿みたいな扱いなのよ!?」
意外と抜けているところもありますからねぇ。アキなんかも割かしそういう所ありますが
アイ「それにボクも漫才の相方扱いされていたよ!?」
喧嘩するほど仲が良い部類じゃないですか? 昔は本当に仲が悪かったんですが
リデア「・・・アイ」
アイ「・・・うん」
? 一体何を
リデア「別に~、ワタシたちの仲が良いところを」
アイ「見せてあげようってだけだよ」
あ、あのどこに連れて行こうと・・・2週連続で死にかけるのは勘弁して下さい!!? え、えっと、今回はここまでです。次回もまたよろしくお願いします。そして、誰か助けて~~~~~!!




