最終部9章「天使たちが願うもの」2話 「その名は」
「ム~」
リューくんたちを見送って1人、ううん『2人』でわたしが戦うべき相手を待っているんだけど何かおかしい? なんかアーくんたちが戦っていた相手と違うような気がするの
(レミーらしくなく・・・いえレミーらしく勘だけは鋭いわ、流石ね)
「えへへ、ありがとう」
もう1人のわたしが『褒めてくれた』からお礼を言ったのだけど、何故か返ってくるのはため息で・・・アーくんたちが近くにいなくてモヤモヤするのは確かだけど、ため息をついたら幸せが逃げていくんだよ?
(・・・あなたはそれでいいのかも知れないわね。わたしは苦労するけど)
ム~、別にもう1人のわたしが困るようなことはしていないと思うよ?
(・・・お馬鹿な話をしているのもここまでよ、来たわ)
そんな話をした覚えはないけど、もう1人のわたしの言葉を聞いてわたしはジッと前を見る
(前から来るとは限らない・・・いえ、今回に関してはそれで正解なのかしら? やつにとってはゲームだし)
ム~? つまり流石レミーちゃんって事だよね! でも、出てきた敵たちは
「何、あれ・・・」
(やっぱり・・・)
異形の姿、って言うのかな? でも、それだけだったら今までも何度も戦ってきた。でも、あれは・・・気持ち悪い。同じ姿の人は1人もいない。けど何故か同じような雰囲気
(さっきまでアシュラたちが戦ってきた相手はリュウトやアシュラ、他のみんなの気配が混ざっていた。つまりはエルファリアを襲ったのと同じトワメルの作ったキメラたち。そのキメラたちからアレに代ったのは・・・いえ、それはどうでも良いわ。でもあれは)
「グッギャァァアアアアア!!!」
耳をつんざく絶叫というのはこう言う物なのだろう。音なんて遅すぎる物、ってよくみんなが言うけれど、あれは音だけど音じゃなくて
(レミーしっかりしなさい・・・ってあんたはアレに影響されるタイプじゃないみたいね)
「・・・どういうこと?」
「ムッ、何故効かぬ?」
わたしと敵の1人、同じように分らないって感じの言葉を発しているけど同じじゃないよね? でも、あの口?みたいなもので話せるんだね
「我が叫びは知性あるものを狂わせる叫び・・・」
(狂う知性がないって言うのはある意味最強のカウンターね)
ム~、もう1人のわたし? それじゃあわたしがお馬鹿みたいだよ
(はぁ、もう何も言わないわ。でも注意しなさい。あれは以前リュウトたちが戦った・・・『混沌より生まれし者』と同じ存在)※第6部9章参照
「混沌より生まれし者?」
「!? 何故その名を知っている? 奴を倒した者の中に天使がいたなどは聞いておらんが」
(ええ、戦ってはいないわ。でも『見ていたわよ』)
ム~、もう1人のわたしはもう少しわたしにわかるように話して欲しいよぉ~
「欺く賢者か見た目の通りな愚者か・・・だが、来る得なかったことを後悔せぬようにな」
(レミー、あれはレオンが直々に作った概念生物)
「我が名は錯乱、『錯乱を広める者』だ」
と言うわけで久々に出てきましたこの系統
ルーン「龍たちの出番ね」
・・・そして何故にあなたがここに?
ルーン「あら? あれが龍、竜を模した存在であることを最初にリュウト君に教えたのは私よ?」
龍という種族名しか教えていなかったような記憶がありますが・・・まぁそこは良いとして
ルーン「そうよぉ。あんまり細かいことを言うのは器が小さいわん」
・・・色仕掛けするか小馬鹿にするかどっちかにして欲しい。とまぁ、名乗ったのは錯乱だけですがレミーが言うとおり複数います
ルーン「龍の大群は中々厄介よ。ここは天使のお嬢ちゃんのお手並み拝見ね」
と言うところで今回はお開きです。次回もよろしくおね・・・って、あ、あの僕をどこに?
ルーン「色仕掛け・・・というよりも食事よん」
あなたに食われるって性的と物理的の両方を兼ねているんですが!? 見られたくないから幕を下ろす? いや、それは殺害現場を隠すだけじゃ・・・




