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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
2部9章『魔界の掟』 
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3話 「スタミナ」

 一瞬だが強力に放出されたアシュラの気を感知したのは二人ほぼ同時。とっさに顔を見合わせて迷わず走り出す。


 そう、アキは元より俺も結界の弱点には気づいていた。より早い感知のためにアシュラが見張りを買っていてくれたこともな。


「アシュラ! レミー! 無事か!?」


 俺たちの到着したのを待っていたようにキィィィィィンと結界が鳴り出す。・・・考えてみれば結界が反応しないうちは戦いが始まるはずもなかったな。


「相変わらずどこか抜けている奴だな。・・・奴らはもうじきここに来るだろう。」


 奴ら・・・ね。アシュラが自分だけで戦わず俺たちを呼んだんだ。それなりの実力者か数が多いか、もしくはその両方か。


「ほう、気づいているとは思ったがここまで臨戦態勢を整えているとは。さすがは魔王を幸運にも打ち倒したものと言うわけか。」


 敵の先頭を歩いてきたのは漆黒のマントに鋭い牙、そして赤い目・・・バンパイアか。だが女のバンパイアっていうのは珍しい。


 後方には悪魔が3匹・・・数としては俺たちと同じ? いや、なんか妙な気配がするな。むっ!?


「これは・・・私たちを分断したのか?」


 アキが言うように突然現れた壁は俺たちを分断するものだろう。なに、この程度なら俺とリュムで壊してやるさ。


「リュウト、ここは奴らの姦計に乗ってやろうではないか。」


 慎重派のアキが珍しくそんなことを言う。・・・そうか、力を見せ付けておけばこの先の無用な戦いは回避できる。だが、それには・・・


「ふん、貴様はオレたちがこんな奴らに後れを取ると? それともお前が自信がないのか?」


「ム~、わたしだって負けないよ~!」


 そうだな、3人とも俺の誇れる仲間だ。・・・何の心配もすることはないじゃないか。


「い~や、むしろ敵の方が心配だな。3人とも手加減なんて出来ないだろう?」


 口元に僅かに笑みを浮かべ、距離をとる3人。本音を言えば心配だ。そして戦いたくもない。だが、俺は信じる。みんなの強さを。俺はためらわない。大切なものを守る為の心の苦痛を!




 オレの目の前にいるのはライオンの顔と5本のヤギの足を体の周りに持つという特徴的な姿をした悪魔。奴が単独で行動してるなど珍しい・・・いや、オレとしたことがありえぬことを考えたな。


「さっさと自慢の軍隊とやらを出したらどうだ・・・ブエル。」


「・・・名があまりに売れすぎていると言うのも考え物だな。そう、我が名はブエル! 50の軍隊を率いる悪魔の大総裁である!」


 ブエルが器用にも5本あるうちの1本の足をパチンと鳴らすとあたりは数多くの悪魔の群れで埋め尽くされた。・・・まさか全軍を連れてくるとはな。


「だが、貴様が我を知っていたように我も貴様を知っている。・・・アシュラ、お前には広範囲に有効な技はない! 4人の中でもっとも我向きの相手よ。」


 たしかにな、オレはあの3人に比べれば攻撃範囲は狭い。・・・だが!


「なに!?」


 オレはまず手ごろな位置にいた悪魔をクローで貫く。・・・一片に倒せぬのなら地道に数を減らしていけばいいだけだ。


「ふん、いかに数が多かろうと所詮は一山いくらの奴ら。オレを倒すには実力不足だな。」


「ば、馬鹿な!? こいつらはみな上級悪魔、それも中堅以上のクラスだぞ!!」


 言っただろう? 所詮はその程度だと。数が多かろうと蟻では象は倒せん!!


「ひ、怯むな! 行けぇ!! 奴の力とて無限ではない! 戦い続ければ消耗する!!」




 そして数十分後


「ハッ!」


 オレは愚直にも正面から繰り出された拳をジャンプで避け、そのまま顔面に回し蹴りをお見舞いする。・・・さて、これで最後だな。


「ば、馬鹿な!? 我の軍隊が・・・全滅?」


「悪いな、貴様とて知っているだろう? 内部エネルギーとは溜め込める最大量だけでは決まらん。放出量と供給量・・・オレは最大量ではなく供給量に優れるタイプなのだ。あの程度なら3日3晩戦い続けてもどうということはない。」


 唖然とするブエルに止めささんと近づくと・・・オレの能力が上昇してる? リュウトの奴が竜神剣の力を使ったのか。奴自身が追い込まれたのか、それともアキかレミーの危機を感じ取ったのか、いずれにしてもオレまで強化するとは律儀な奴だ。


「ふん、おせっかい物のおかげで益々貴様に勝ち目はなくなったな。」


 ブエルは最後の足掻きとばかりにその口から炎を吐き出す。並のものなら瞬時に骨まで溶けるかも知れぬが・・・


「その程度では話にならんな。」


 今のオレには精々、毛の表面が少し焼ける程度。リュウト(竜神剣)の力ばかりではない。オレ自身が強くなっていることがわかる。


「これで終わりだ。修羅・・・烈風斬!」


 今のオレは楽しみのために戦っているわけではない。だが、これでは少々な


「・・・つまらん。」


 オレの口から出たのはそんな一言。まぁいい、他のやつらもそろそろ決着がついているころだろう。誰か一人でも負けているなどオレには想像もつかんな。

レミー「お~! アーくん強い!」


・・・僕のコメントの前に話さないで(汗)。まぁ、現状安定して強いのはアシュラですからね。リュウトは竜神剣の本当の力込みならアシュラよりもずっと強いですが、まだ殆ど使えませんからね。


レミー「じゃあ、わたしたちの中で一番強いのはリューくんじゃなくてアーくん?」


基本的にはそうです。もっとも、先ほど言ったとおり爆発力ならリュウトのほうです。魔王たちがリュウトを最大戦力として恐れるのはそれが故ですね。大部分が竜神剣の力ですが。


レミー「ふ~ん、そうなんだ。あっ、次はわたしの戦いみたいだよ。ちゃんと見てね~♪」


・・・今回のあとがきはレミーに振り回されぱなっしだった・・・っていうか勝手に終わらせるな~~!!

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