つまずいたもの
私は瑠音。私今、家から脱走してきちゃった。
だって二人して私をバカにすることないじゃん。
まぁでももうそろそろ帰らないとお父さんが帰ってきちゃうなあ~。
もうすっかり暗くなっちゃったよ。今日に限って人通りが少ない。
不気味出し、走って帰ろっと。
タッタッタッタッタッ・・・・・
ドテッ!
「痛ーい。」
もう急いでるのに。って、あれ?
私この本につまずいたんだ。
でもこの本、ずいぶん古そう。家に持ってって明日交番にでも届けるかな。
「ただいま!」
「お、お前かぁー。あ、怜音帰ったからな。それと、お前の事すごい心配してたぞ。お前も少しはあいつに気を使え!」
「帰って来てすぐ、お前お前お前ってうるさい!余計なお世話よ!」
私またイラ立って、自分の部屋に避難。
と、思ったら。いや、思ったのに
「あ、あのさっきはごめんな・・・」
と、弱々しくいった。
颯の口からそんな言葉が出るとは。
「そうだ、その本どうしたんだ?」
「そんな事、執事には関係ないでしょ?」
「いいから教えろ」
「道で拾ったの」
それを言ってどうなるって言うの?
本当にバカだわ。
「それかせ。い、いや返せ!それ、俺のやつだから。」
まぁいいか。明日届ける必要なくなるし。
「はい。でもこれってなんの本?」
「魔法書だ。ほら、みてみろ。」
「何て書いてあるのか全くわかんない。それより、どうしてそんな魔法書なんか持ってるの?」
「そっそれは・・・・・俺が魔法使いだから。」
今一瞬だけ私の頭の中を何かがよぎった。
瑠音の頭をよぎったものとは?«つづく»