秋空「揺らぐ想い」
7話目です。サッカーについて知識をください(つд⊂)
次の日・・・とうとう花奈にバレた。
というか、無理やり吐かされた。
まぁ、花奈のことだからわかってはいたんだけど・・・
「あんた、馬鹿じゃないの!?」
・・・・あはは。怒られてます。
「安藤とその男とどっちがいいの!?」
「そ、そりゃぁ俊介だけど・・・」
「もう、彼とは会わないほうがいいよ・・・」
「なんで?」
「彼、今彼女いるから」
「・・・え、うっそ~」
「ほんとだよ。私の情報力なめないでよね」
「・・・マジか」
・・・じゃあ、なんであんなことするの?
彼女いるんじゃない。ほかの女にあんなことしちゃダメだよ。
「だから、もう・・・」
「もう会ってくれないんだ?」
突然私の頭の上に誰かが乗った。
「!?!?・・・優也!!」
「あんたが舞のことたぶらかしてんの?」
「たぶらかす?んなわけねーじゃん。こいつ、俺のお気に入り」
「もう、舞から離れてっ」
私の頭の上で言い合いはしないで欲しいなぁ・・・
なんて、思ってるけどほんとはまた会えてよかった。
花奈にはああ言われたけど、会わないなんてできなかった。俊介の話を聞くために。
俊介は今日も休んでるし、男同士で話す内容もあるだろうし。
「舞、舞」
「ん?」
「明日俊介部活来るってさ」
「え、ほんと!?」
「あぁ、宮間もくるみたいだけど」
「・・・そっか。電話してみる!!」
「あぁ」
爽やかに笑って去っていく優也。
「・・・ったくもー。なんなの、あいつ。この私に」
「あ、あはは。まぁ、あんな奴だから大丈夫でしょ」
「まぁね。彼女のこと、もうちょっと調べてみるよ」
「・・・うん」
花奈はすごいなぁ。
初めて話した男の子でも堂々としてる。
私なんてまだまだで・・・
でも、少しだけ前進できた気がする。
多分優也は私の恋に協力してくれるだろう。
優也は友達なんだ。それでいいんだ。
私の中に芽生えた少しの期待をそっと胸の奥にしまった。
「・・・今日も快晴だよ、俊介」
しばらく見ていない愛しい人が笑ってる姿が頭に浮かんだ。
学校が終わって、少しサッカー部を覗いてみた。
「パス、パース!!」
「いけ、そこ、シュートだ!!」
次々と飛び交う声とボール。グランドを走る男の子達。
その中に優也もいた。
俊介は大好きなサッカーもしないで何をしているんだと思った。
「おぉ、なんだよ、舞」
「あ、優也」
「来るなら言えよ」
「や、すぐ帰るから」
休憩時間になったのか、少し息の切れた優也が走ってきた。
「お前、ここに来るの久しぶりだろ」
「そうだね・・・ってなんで知ってんの?」
「まぁ、見てたから・・・」
そんなに前から知ってたんだ・・・
私はこの前見に行った試合依頼ここには来ていない。
あれから何度か試合があったみたいだけど、それも行かなかった。
いや、行けなかった。
俊介のそばにはいつも楓ちゃんがいたから。
「お前もサッカーやるか?」
「え、だからすぐ帰るって・・・」
「ま、いいじゃねーか。ん、ボール」
「私、やったことないよ!?」
「俺が教えてやるから、ん」
手を差し伸べる優也。この手を取ってもいいのだろうか。
「・・・ったく」
グィッ
「どこ行くの!?」
「いつもんとこ。」
・・・まぁ、気晴らしにやるかっ。
「お前、ヘタだなぁ~(笑)」
「だからやったことないって言ったじゃん!!」
「いや、それでもこれは・・・」
さっきからボールがいろんな方向に飛んでいく。
そしてなぜか優也がバテてる・・・
「俺はお前の球拾いかよ」
「だってぇ・・・」
実は運動音痴な私。
「だから、こうだってっ!!」
優也がボールを蹴る。そばにあった木のど真ん中を命中した。
「す、すご・・・」
「やってみ」
「や、無理だから」
結局今日は優也に球拾いをさせただけとなった。
「お前、もうちょい頑張れよ」
「うるさいよ」
「じゃ、俺練習もどるから」
「ん。ありがとね」
「あぁ、また来いよ」
そうして私たちは別れた。
帰ってから俊介に電話をするんだというワクワクした気持ちが、
今は、もっと優也と話していたいという思いに変わっていた。
-----もしもし?
-----あ、俊介。私・・・
-----・・・舞・・・。
私は帰ってから俊介に電話をかけた。
なぜか複雑の気持ちのまま・・・
それでも久しぶりに聞く彼の声にほっとした。
-----最近学校来てないね。
-----あぁ、いろいろあって。
-----・・・楓ちゃんといるの?
-----今はいないよ。
-----なんで休んでるの?
-----・・・言えない。
-----久しぶりに俊介と空見たいな。
-----でも、今は・・・行けない。
-----明日、サッカーするんでしょ?
-----なんで知ってんだよ。
-----優也から聞いた。
-----優也って長谷川?お前ら知り合い?
-----最近仲良くなった。
-----そっか・・・明日学校行くよ。
-----ほんとに?待ってるね。
電話が切れた。少し声が暗い?って思ったけど、
楓ちゃんがいないことに安心してた。
俊介に何が起こったかも知らずに・・・
まだまだ続きそうです。