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ソラ  作者: maiko
第2章 アキコイ
6/19

秋空「新しい出会い」

6話目です。遅くなってすみません。

私のいたところからは少し距離があった。

やっと着いた・・・と思ったら。

「だ・・・誰?」

私は少し前まで男に興味が無かったせいか、クラスの男子以外覚えていない。

黒髪の少し焼けた肌に長いまつげ。

しっかりとした筋肉。これまたモテそうなイケメンくん。

・・・その彼がなぜ私の特等席で寝ている。

いや、ちょっとの間来てなかったからって・・・

こんなとこ知ってる人も数少ないはずだよ。

ましてや寝るなんて・・・

「ん・・・」

あ、起きた!!

「わわ、ヤバッ」

私はとっさに隠れようとした。

だけど、彼はまっすぐした目で私を捉えた。

「藤咲・・・舞」

今、私の名前・・・

「なんで、お前がここ・・・」

「あ、いや、あの・・・私・・・」

すると彼が近づいてきた。

「なんで泣いてる」

!?さっき拭ったから隠せたと思ったのに!!

「な、泣いてない!!」

「嘘」

・・・なんなのコイツ!!

「ほっといて!!」

「・・・あそ」

そしてまた寝る彼。

私はどうすることもできず、その場にうずくまる。

さっきのこと、思い出すとまた涙が出る。

教室に戻るとまた俊介にあってしまう。

そしたら、きっと私は俊介の顔を見れない。

きっと・・・きっと。


キーンコーン

予鈴だ。行かなきゃ。行きたくない。

横目でチラッと彼を見た。

・・・寝てる。

「何」

・・・ッ!!!!気づかれた!!起きてた!!

「あ、あの・・・予鈴鳴りましたけど・・・」

「知ってる」

ムカ。

「行かないんですか?」

「サボリ」

ムカムカ。

「あの、なんで私の名前知ってた」

「秘密」

ムカムカムカ!!ほんと、何なのよコイツー!!

「話すときはちゃんと相手の目、見て喋ってください!!」

すると、彼がムクっと起き上がった。

「てか、なんで敬語なの。俺、1年だけど」

「え、同じ!?嘘っ!?」

「・・・ブっ」

笑った。初めて笑った。笑顔が素敵な男の子。

「何見てんだよ」

前言撤回。口の悪い男の子。

「んじゃな」

彼はズボンについた砂を払い、立ち去ろうとする。

去り際にこう言った。

「長谷川優也」

そして、軽く右手を上げ、あくびをしながら去っていった。


結局私は遅刻した。

教室に戻り、先生に怒られ、花奈に怒られごく自然と自分の席にも座れた。

俊介がいなかったから。

多分楓ちゃんといるのだろうと思い、隣の席ばかりを見てしまう。

花奈には「長谷川優也」のことは話さなかった。

俊介は一度も戻ってくることなく、学校が終わり、

先生に呼ばれてるからと花奈を先に帰らせ、私は職員室に向かう途中・・・

「長谷川優也」に再び出会った。

少し遠かったけど、彼はジっとこちらを見ている。

すれ違いざまにこう言った。

「明日、あの時間にもう一度あの場所に来い」

「え・・・」

振り返った時にはもう歩き出す彼の姿があり、

私は廊下に1人ぼっち・・・

何があるんだろう。少し期待している自分。

「長谷川優也」、よくわからない。



次の日。

俊介は学校を休んだ。

花奈から何があったか聞かれたけど・・・答えなかった。

答えられなかった。

そしてすぐに約束の時間は来た。

花奈には事情を話してないから半ば振り切ってここまで来たけど・・・

戻ったら何されることやら・・・怖い怖い・・・

私のお気に入りの場所につく。

「遅い」

「ご、ごめん」

また寝転がっている彼の姿。

ここはあんたの家か!?

「な、何か用?」

「・・・」

とりあえず座る。

「俊介」

急に出てきた大好きな人の名前に反応する。

「俊介から何も聞いてないのか?」

「・・・何を?」

「いや、いい」

「・・・言ってよ」

「イヤ」

「言え」

「イヤ」

「言え」

「俊介と俺は同じ部活なんだよ」

・・・言うんかいっ!!

それでも初めて聞かされた俊介との関係に私は興味シンシンだった。

「俺のこと、もう夏なのに初めて見た感じだったし」

「ご、ごめん・・・」

「俊介がお前の幼馴染だから話してると思ったけど」

「何も聞いてないよ」

「別にいいけどよ。俊介はよくお前の話してくれる」

「俊介が私の話を・・・?」

「あぁ、だから俺はお前のことを知ってた」

俊介、私の話してくれるんだね。

自然と笑みがこぼれる。

「・・・何笑ってんだよ」

「や、別に・・・」

「お前おもしろいな」

「そりゃどうも」

「お前、あほだろ」

「あ、あほ?・・・ってうなずくかぁぁぁ!!」

「・・・ブっ」

とても爆笑。どこにツボったのかわからん。

あやうく頷きそうになったわ・・・

「ねぇ、最近俊介部活来てる?」

「・・・知りたい?」

いつのまにか笑うのをやめていた長谷川優也は意味ありげな笑みで私をのぞく。

「やっぱ・・・いい」

「好きなのか」

「うん・・・ってえぇぇ!!!?」

「・・・ブっ」

またツボった。こいつ、ゲラだな。

「ちちちちがう、ちがうって!!今のは流れで・・」

「・・・クク・・・いや、いいって、わかってるから・・・ククッ」

カァァァァ。

恥ずかしい・・・なんでこんなやつに言ったんだろう・・・///

「い、言わないで!!」

「ハァ・・・お腹痛て。別にいいけど、知ってんだろ?彼女いんの」

「もちろんだよ。でも、忘れられないの。俊介は私の中で1番大事な人だから」

「ふーん」

「な、何ッ・・・」

突然彼が迫ってきた。

「お前、気に入った。」

ニカっと笑う彼はお気に入りのおもちゃを見つけたような

小さい子供が微笑むような優しい笑みを浮かべていた。

「あ、ありがとう?」

「おう」

「話ってそれだけ?」

「まぁ、最初っから特に用はない」

なんじゃそりゃ・・・少しどついてやろうかと思ったけどやめた。

「じゃ、戻るけど・・・」

グイッ

急に長谷川優也が腕を引っ張る。

「舞」

内心、ほんとはドキドキが止まらない。

急に呼ばれた自分の名前にとまいどいを隠せないでいる。

長谷川優也はとっさの行動が多くて、少し困る。

「舞・・・」

見つめ合う2人を見守る空は雲ひとつ無い。

「な・・・」

「優也」

「?」

「俺の名前、呼べよ」

「なんで・・・」

「舞、呼べよ。」

なんて自己中・・・しかも命令口調。俺様くんなの?

「ゆ・・・ゆ・・ゆ・・・うや」

「もっかい」

「優也」

恥ずかしい、恥ずかしい。

俊介以外の人を呼び捨てするのなんて初めて。

しかも、この空気・・・少女漫画か!!

「うん。いいよ」

「なんなのよ!!」

「一回も呼んでくれないから」

「呼ばなくていいの!!」

「俺が嫌」

・・・あほなのか?わがままなのか?

「もう・・・いいや。じゃあね」

「ん~・・・」

また寝る優也。軽く手を振りながら。

あいつと出会ってドキドキが増えた。

俊介とはまた違う意味でのドキドキで、

私の頭は優也と、楓ちゃんとでいっぱいで。

心は俊介に惹かれているのに・・・なのに、

恋をしてから考えることが多過ぎる。

私には早いのかもしれない・・・・


苦しいよ、俊介・・・


優也の登場はどうでしたか?優也ばっかりになってしまった・・・

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