冬空「料理」
・・・起きたら目の前に俊介の顔があった。
「・・・!!」
寝てるじゃん、俊介寝てるよ!!
可愛いー・・・寝顔超可愛いー・・・
って違うよ!!
なんで同じベッドで寝てるのよ!!
いつのまに入ってきた?
ヤバイ、爆睡してて何も覚えてない!!
心臓がドキドキしてる。
しばらく俊介の寝顔を覗き込んだあと、
携帯を手に取り、撮影。
「あはっ、撮っちった。内緒だね。」
それでも、こんなことしちゃう私。
確実に変態だよ(笑)
「ん・・・まいー?」
「あ、起きた?俊介。」
「ふぁあ。おはよ、気分はどうだ?」
「うん、もう大丈夫!」
「そっか。ならよかった。」
ニコっと微笑みかけてくる彼。
「今何時?」
「17:30ぐらいだね。帰ろうか?」
「俺んちは問題無いけど・・・舞は大丈夫?」
「全然大丈夫!!」
「んー、じゃあ飯食ってくか!!?」
「え、いいの!?」
「俺が作るけどそれでもいいなら(笑)」
「いいよ、全然いいよ!俊介の手料理食べたい!!」
「よっし、じゃあ、材料買いに行こうか!」
早速、私たちは近くのスーパーで食材を買った。
俊介に何が食べたい?と聞かれたのでカレーって答えたら俺もって言ってくれた。
私、今日ほんとに幸せ。
大好きな人の手料理まで食べれるなんて。
朝から考えてた予定とかなり違うことになってるけどこれはこれでいいかな、なんて。
俊介がそばにいてくれるだけで幸せなんだ。
帰宅。
「舞、手洗えよ?」
「はーい!」
「じゃ、じゃがいもむいて~。」
「はーい!!」
めっちゃ仕切られてます。
実は私・・・料理とかやったことないんだよね(笑)
昔から両親が仕事で忙しい安藤家はいつも俊介と2つ上のお兄さんとの2人で。
今年の春、俊介のお兄さん。「景斗」さんが家を出てからは1人で家事をこなしてる。
ほんと、尊敬しちゃう。
ここは女の子の私が「やってやる!」みたいな感じで行くべきなんだろうけど・・・
「あー、違う違う、そんな持ち方したら危ないだろっ!」
「舞!!落としすぎ!」
「コラコラ、遊ばない。」
すごく・・・足手まとい・・・
しまいには・・・
「舞・・・見ててくれるかな?」
「・・・はい。」
私は渋々見学することになった。
キッチンの前の机に座りながらエプロン姿の俊介を眺めてた。
「俊介ってほんと起用だよね~」
「え、何(笑)まぁ、いつもやってるからね。」
「私なんか全然・・・」
「舞はやらなさすぎ(笑)」
「すいません」
「俺が舞と結婚したら舞が働くことになるね(笑)」
「・・・。」
「舞?」
「・・・//」
「どしたー?」
馬鹿俊介。
人の気持ちも知らないで結婚とか言うんだから!!
「なん、でもないよ、あはは//」
「顔赤いぞ?まだしんどいのか?」
「や、なんでもない!ちょっと顔洗ってくる・・・」
カァァァ//
俊介のさりげない一言でこんなにも取り乱してる自分が恥ずかしい//
ってか、俊介何もわかってないよ!!
まったく・・・でも嬉しかったよ、あの言葉。
水が冷たくて気持ちいい。だけど、まだ顔の熱は下がらない。
「ごめんごめん」
「大丈夫か?」
「うん、全然」
「もうすぐできるからなー。」
「おっ、いい匂い!!」
「腹減ったなぁ(笑)」
「うん!!楽しみ!!」
「舞、皿並べて。」
「はーい!」
そうこうして、俊介お手製の特製カレーが完成。
「「いただきまーす!」」
「ん・・・おいしいっ」
「うんうん・・・うまいな!」
「お店に出せるよ、コレ!」
「マジで?俺店出しちゃおっかなー」
「じゃあ、私手伝う(笑)」
こんな感じでたわいもない会話をしながらあっという間に時間は過ぎた。
PM 19:00
只今絶賛くつろぎ中。
ソファーに座りながら2人でお笑い番組を見てる。
俊介とは趣味が合うから笑いのツボも同じ。
だから、2人して大笑い。
やっぱ、楽しいな。
「あー、これおもしれぇ(笑)」
「だねっ、涙出てきた(笑)」
「この、ここがいいよな、これ!」
俊介が私たちの大好きな芸人さんのモノマネをした。
「あははっ、似てねー」
「ナニっ!?俺の渾身のモノマネを・・・ってか舞、笑いすぎ!!」
「ごめ・・・ちょっとほんと・・・ブフっ」
「こらぁ(笑)」
俊介が腕を首に回して締めてきた。
「ムリムリっ・・・ギブ、ギブー」
「コノヤロっ、おわっ!!」
私が逃れようとした途端、俊介の体制が崩れた。
すごく近い距離に俊介の顔がある!!!!
俊介が私に馬乗りになるような体勢で・・
待って待って、心臓がもたないよ!!
超ドキドキしてるし・・・目が合わせられない!!
「わ、わりぃ・・//」
「・・・ぅ、ん//」
・・・・・・・・どいてよ俊介!!
なんで動かないのよ、この体制はヤバイよ!!
どけー、どけー!!
そんなことを思い、焦っていた時。
俊介が意味深なことを聞いてきた・・・。
「舞、好きな人いるの?」