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ソラ  作者: maiko
第3章 フユコイ
11/19

冬空「デート?」

遊園地!!行きたい!!

ルンルン~♪

最近の私は気分がいい。

いや、よすぎる。

空は、快晴!!

そして、今日は土曜日!!

今いる場所は杉下遊園地入口ゲート前!!

なぜこうなったのかを説明しよう。



あの、俊介と楓ちゃん事件告白後の帰り、

抱きしめあってた私たちはそのあとすぐ別れた。

「ん・・・舞。もういいよ。」

「大丈夫?俊介・・・」

「大丈夫。舞のおかげ。ありがとう。」

「ううん、なんかあったらまた、話聞くよ!!」

「あー・・・じゃあ、来週の土曜日空けといて。」

「え、なんで?」

「まぁ・・・なんつーか?デートのお誘い?」

そして、なぜか照れる2人。

「あ、じゃあまた連絡するよ!!」

「お、おう・・・待ってるよ。」

いつもなら、なにそれーとか言ってふざけてたところなんだけどなぁ。

俊介の笑顔に相変わらずときめく。

そして、俊介からのお誘いは絶対に断れない。

私も弱いね・・・俊介に。

少しでも・・・俊介の力になれたらいいなぁ・・・



なんて、思って今日がその日!!

今日までどれだけ楽しみにしていたことか!!

花奈に報告したら、どれだけ喜んでいたことか!!

そして、2人で服を買いに行ってどれだけ悩んでいたことか!!

おてんとさまも祝福してくれてるのかなぁ・・・

この期間中に冬になった私たちの体は長々と続いた秋の温度に慣れていて・・・

「今日は寒いなぁ・・・」

なんて、こぼしちゃうくらい。

今日はめいいっぱい楽しむんだ!!

楽しみすぎて約束の時間の30分前についちゃったよ!!

買ったばかりの服も来てきた・・・俊介といつもどうり話す練習もしてきた・・・

大丈夫・・・大丈夫・・でも、心臓のドキドキが止まらない。

「・・・あ、舞!!」

大きく手を振ってこっちに走ってくる姿はまるで王子様。

キャーキャー私服なんて久しぶりじゃん!!前は制服だったもんね!!

うっわー・・・かっこい・・・好きと気づいてからまた一段とかっこいいわ~・・・

「何?」

クスクスと笑う彼。知らぬまに見つめてたみたいで。

「な、なななななんでもない!!」

「そ、そう?ククッ・・・舞、今日可愛いじゃん。」

・・・は?今なんと?


今日可愛いじゃん

きょうかわいいじゃん

キョウカワイイジャン


「ギャー、何、何急に!!」

「おま、お前、落ち着け」

もう、俊介に至っては爆笑に達してる。

私は出だしから失敗したのかと思ってると・・・

「じゃ、行こっか。ん、手。」

「手?えぇぇぇぇぇぇ!!」

「なんだよ、はぐれんだろ?」

「いや、いやその・・・ね。」

「嫌ならいいけど。」

「嫌じゃないです、はい!!」

「クスクス・・・面白いなぁ、舞は。」

赤面。超恥ずかしい。

自覚した。出だしから滑った。

だけど、俊介のおかげで寒さはなくなった。


「まず、どこ行くー?」

片手にマップを持って、そしてもう片手には私の手。

あきらかカップルじゃんよー///

俊介は平気なの?ドキドキしてるのは私だけ??

「舞、舞、あれ乗ろ!!ジェットコースター!!」

「お、おぉう。一気にテンション上がったねぇ。」

「いや、だって上がんだろ、俺マジ久しぶりだもん!!」

ふふっ、こんな無邪気な君も好き。

「いいよっ、乗ろう!!」


それから、私たちは絶叫・絶叫・絶叫と連続で乗り物に乗り、

俊介元気。私ダウン・・・

「舞ー?大丈夫かー?」

「うん・・・多分・・」

「はい、飲みもん買ってきた。」

「あ、ありがとー」

「吐く?吐く?」

「吐かない!!」

「医務室行く?」

「いいっ、大丈夫だから・・・」

そうは言っても少しやばい気がしてきた。

絶叫はそう強くはないけど好き。

ましてや俊介と一緒にいるのに楽しくないはずもない。

「・・・帰ろ。舞。」

「嫌だよ!!せっかく来たのに・・・」

「それよりお前の体のほうが大事。」

「そんなぁ・・・」

「まぁ、乗れてないやつはまた今度来ればいいしさ。歩ける?」

「ごめんね、俊介。」

「いいよ。ほら、肩。」

「うぅ・・・ッ。ありがどう・・グズっ」

「泣くなよ、馬鹿ー」

今日はなんて最悪な日。

いや、違う。今日が最悪なんじゃなくて・・・私が最悪なんだ。

大好きな人にこんなことさせるなんて・・・おかしいよ。

「うっ・・・うっ。」

なんだかとても惨めで・・・涙が・・

「ったく・・しゃーねーなぁ。・・・舞、うちくる?」

「ふぇっ?」

「うちうち。このまま解散・・・ってもなんかやだしな」

ニコニコ笑う彼は私の心を読み取ったかのようにこんな提案をしてきてくれた。

まだ、一緒にいたい。それは私が思っていた事。俊介も同じこと考えてたのかな・・・?

「いい・・・の?」

「んー・・・。舞は寝てろよ?」

コクコクと頷いた。そしたら俊介が笑ってくれた。

「よし。じゃ、行こうか。」

そう言って2人して歩き出した。

さりげなく言った俊介の言葉がどれだけ嬉しかったか。

それは私だけの秘密。


「・・・来ちゃった。」

「何言ってんだよ。昔よく来てたじゃん。」

「や・・・そうですが・・・」

「まぁ、緊張すんなって!!今、誰もいないから。」

「へぇ・・・ってマジですかい!!」

「うん、マジマジ?なんで?」

「いや、その男の人と2人りきりなんて・・・」

「・・・何もしないから(笑)」

そう言ってゲラゲラ笑い、家に上げてくれた。

久しぶりに来た俊介の家。

懐かしい匂い。

あ、家具の場所が違う。

つい、マジマジと見てしまった。

「そんなに見ないで、汚いから(笑)」

俊介が冷蔵庫からジュースを出しながら言ってきた。

「汚くないよ!!懐かしいなって・・・。」

「そうだな。ってか、別にいつでも来ていいぞ?」

「ほんと?」

「うん、舞だからな~。」

嬉しいな。こんなふうに思ってくれてる。認めてくれてる。

「俺の部屋も見る?」

「うん!!ベッドの下チェーック!!」

「ブハっ・・・何も出てこねーよ(笑)」

「いや、わかんないよ~?この年頃だもんね~。」

「お前も一緒だろ!!ん。」

ジュースを受け取った私たちは俊介の部屋に上がった。


「へ~・・・結構綺麗じゃん。」

俊介の部屋はいろいろと模様替えがされており、意外と家具が少なく私の部屋より綺麗なぐらいだった。

「まぁな。俺もいろいろ変わったんだよ。」

「昔はいーっぱい漫画散らばってたもんね(笑)」

「舞が読み散らかしたんだろ!!」

「ちゃんと直したもん!!」

「俺が直したの!ってかさりげなくベッドの下のぞいてんじゃねーよ(笑)」

「何も無かったじゃん!!まぁ、俊介が変態じゃなくてよかったけどね~(笑)」

「誰が変態じゃ、誰が。」

「・・ん?」

ふとベッドの奥に何かを見つけた私。

「こんなところに・・・秘密なものですかーっと。」

手に取ってみると写真のようなものが出てきた。

「俊介ー?なんかあるよー?」

「え、何。」

「これ・・・」

私は見た。俊介と楓ちゃんの写真を。

「も、もう・・・こんなところにあったよ!!」

「・・・わりぃ。捨てといて。」

「ダメだよ、そんな!!」

「いいから。」

バッと俊介が取り上げた。

その場に思い空気が流れる・・・

「わりぃ。舞、もう寝ろよ。」

「ううん、私こそごめんね。」

よじよじとベッドに上がる。

「俺、ここにいるからな。」

「え、やだよ!!」

「なんでだよ~。」

「寝顔見られるもん。」

「写真とっちゃお。」

「やめんか。」

「待ち受けにしちゃお。」

「やめんか。」

「早く寝ろ(笑)」

「もう、見ないでよ!!」

「はいはい、おやすみなさいませ~」

その後、すぐに眠りにつけた。

俊介がそばにいてくれたおかげ。

ベッドの中は俊介の匂いで溢れている。

今日が最高の日に変わった瞬間だった。


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