表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソラ  作者: maiko
第2章 アキコイ
10/19

秋空「楓ちゃんの事実」

10話目になりました。長すぎですね(笑)


あれから、普通に授業を受け、

普通に俊介と会話し、普通に放課後になった。

だけど、俊介がずっとソワソワしていたのが少し気になった。


「あ、俊介今日も部活??」

「あ、あぁ。舞もちょっと来て欲しい。」

「ん?なんで?」

「ちょっと、話がある。みんなにも。」

楓ちゃんもいるんだろうなぁ。きっと。

「いや、でも・・・」

「お願い、来て。」

真剣な目で見つめる。俊介の瞳の奥には何が秘められているのか。

「わ、わかったよ・・・」

そんな顔されたら断れないじゃん。

やっぱり俊介に見つめられるとドキドキするな・・・。

優也のときもしたけど。

「舞ー、帰ろー・・・あれ?」

「あぁ、ごめん、花奈。私ちょっとサッカー部行ってくるね。」

「え、何々、何かあった?」

「いや・・・なんか俊介が来いって・・・」

「なんかあるんじゃない?期待していいんじゃない?」

「もう、うるさいよっ!!さ、帰った帰った!!」

「はいはい、明日報告ね!!」

そう言い残して、ブンブンと大きく手を振って帰っていった。

そして、私たちはサッカー部へと向かった。

向かってる途中、俊介は一言も喋らなかった。

私は何かを感じ取ったのか、俊介がこんなにも悩んでいるような、

だけど、どこか決意したような。複雑な顔をしていた俊介にかける言葉がなかった。


サッカー部部室前。

もうすでにほとんどの部員が揃っていると俊介は言う。

その中に・・・楓ちゃんもいた。

「おせーよ、俊介。」

「あぁ、わりぃ・・・」

「彼女がお待ちだぜ」

俊介がチラっと私を見た。そしてこういった。

「舞、ちょっと向こう行ってて。」

「う、うん。」

何か聞かれたくないことでもあるのかな?

そこは男同士だからかな?2人の間には険悪な雰囲気が・・・

すると、私の隣に楓ちゃんが来ていた。

「あの、2人。うちのサッカー部ではライバルみたいな関係で、いつもあぁなんです。」

「楓ちゃん・・・」

「お久しぶりです、舞さん。」

「きょ、今日なんかあるの?」

「どうしてですか?」

「いや、なんか私連れて来られたし・・・」

「後で私たちから話があります。多分、俊ちゃんは舞さんにも一緒に聞いてもらいたくて・・・」

「なんの話?」

「それは・・まだ。それより、舞さんって俊ちゃんのこと好きですよね?」

「え”っ・・・何・・・急に・・」

「見てればわかりますよ」

ニコニコ笑う彼女はほんとにいい子だと思った。

素直で可愛くて、優しくて・・・。

「・・・好きだよ。」

「やっぱり。俊ちゃんも多分舞さんのこと好きです。」

「え・・・」

「俊ちゃん、私といる時いつも舞さんの話してました。」

「それは・・・幼馴染だからで・・」

「ちがいますよ、それだけじゃない。彼女だから、だったからわかるんです。」

「・・・だった?」

楓ちゃんはそれ以上は何も言わなかった。

ただ、遠い目で俊介を見つめてる。

そして、とても悲しそうな顔をした。

「おい、みんな聞いてくれ。」

俊介がみんなを集めた。楓ちゃんを呼ぶ。

そして、こう言った。

「俺たち、別れたんだ。」

「・・・は?」

「サッカー部公認だったからみんなに一番に報告・・・みたいな?」

「その、色々あって・・・私たち別れました。」

「だから、お前らもう俺らなんともないから・・・さ。」

部員たちがざわつく。私は・・・・目を見開いたまま動けなかった。

「舞?」

俊介の声にハっとする。

「あ・・・いや、ビックリしちゃって・・・」

「・・・ごめんな。」

「なんで、俊介が謝るの。」

「うん、ごめん。」

「楓ちゃん・・・」

楓ちゃんは何も言わずにただ、笑っていた。

そして誰も別れた理由を聞く者はいなかった。


帰り、私は俊介と帰った。

「いつから?」

「俺と楓が休んでるときに、決めた。」

「理由は聞いていいの?」

「いいよ・・・まぁ、ざっくり言っちゃうと家柄かな・・・」

「楓ちゃんってお金持ちなんだよね・・・?」

「あぁ、ご令嬢だよ。俺、楓の父さんに会いに行ったんだ。ははっ・・・見事に「娘はやらない」って言われちゃってさ・・・」

「俊介・・・」

「馬鹿だよなー・・・俺、弱いんだ。何も出来なかった。」

「俊介のせいじゃないじゃん。」

「違う、俺は・・弱いんだ・・・俺は・・・」

「俊介」

思わず抱きしめてしまった。

「わ、ごめん!!」

「・・・いい。このままでいさして。」

もう家の近くまで来ていたのにも関わらず、

俊介は私を抱きしめる力を弱めなかった。

それに応えるように私は、俊介を強く、強く抱きしめた。

俊介は・・・私が守る。

そして、これからは俊介の1番になれるように努力すると誓った。

空は夕暮れで、オレンジ色に染まる夕焼けが私たちを赤く照らしてた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ