表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/37

第三話 コマンドプロンプト

「では、コンパイルする前に――まずはコマンド入力からするわよ」

 先輩はそう言うと、マウスで左下の「スタート」>「すべてのプログラム」>「アクセサリ」>「コマンドプロンプト」とクリックしていった。

 すると画面に黒いウィンドウが表示される。


「なにしてるんです?」

「イツキくん、知らないのこれ?」

 俺は頷いた。

「コマンドプロンプト。昔のDOS時代は、みんなこういうの使ってたんだって」

「はぁ。そんな過去の遺物、なんで今使ってるんです?」

「プログラムをするときには、いろいろと便利なのよ。それに、こっちの方が説明しやすいもん。これから、ずっと使う事になるから、まず操作説明をさせてもらうわね」

「はい」

「まず、「cd ¥」って打ち込んでからエンターキーを押して」

 先輩はそういうと席を外した。俺は代わってPCの前に座ると、キーボードで打ち込む。

 すると、カーソルが

「C:¥>」

に代わった。>の右では_のカーソルが点滅している。


「ここが今、イツキくんがいる所。Cドライブの真下ね。では次にdirを打ってエンターを押して」

 俺は言われたとおりにした。すると、ずらずらとリストが表示される。

「この中に、2011/06/06 17:00 <DIR> sampleってあるでしょ」

「あ、はい。下の方に」

「これがさっき作ったフォルダ。ディレクトリとも言うから覚えておいて。ちなみに、さっき打ったdirはこのDirectoryの略称。で、cdは、チェンジディレクトリ」

「俺、英語苦手なんで」

「わかってるわよ。じゃ、今度は、このsampleへ移動するよー。cd sampleって押してエンターね」

俺は打ち込んでいく。


C:¥>cd sample [ENTER]


すると表示が、


C:¥sample>


と代わった。

「今、イツキくんはsampleフォルダの場所へ移動しました。ちなみに、さっきの所へ帰りたいときには、cd .. って打ってエンターよ。これで上の階層へ戻るわ」

「うーむ。いちいち打たないと移動しないといけないんじゃ、面倒だなー」

「今のは相対パスって移動の方法。直接行きたい場所指定したいなら、絶対パスで入力するの。cd c:¥sampleとか」

「ふむふむ」

「じゃ、移動方法はこれくらいにして、次はいよいよコンパイルするわよ。まず、dirコマンドを入れてみて」

 俺は入力した。すると、


<DIR> .

<DIR> ..

133 firstprogram.c


の三つが表示された。


「上の二つのは無視して。今は、このsampleフォルダには、さっきあたしが入力したプログラムがあるだけ。ちなみに前の133って数字は、プログラムの使っているバイト数の大きさね」

「はい」

 バイト? なんだそりゃ。アルバイトのことか?

「では、コンパイルするわよ。gcc firstprogram.cって入力して」

 俺は言われたとおりに入れた。すると数秒してから、再びC:¥sample>が表示される。

「あ? これで、成功したんですか?」

「うん。プログラムが間違っていたら、ここでエラー表示がされるの。何も表示されないから成功。じゃ、ためしにDIRで調べてみて」

 俺はDIRコマンドを打ち込んだ。すると、


22,526 a.exe

133 firstprogram.c


の二行に増えている。


「このa.exeってのが、作られたプログラムですか?」

「そう。今コンパイルして作られた実行ファイル。exeはExecutable、実行可能の略ね。ちなみに、firstprogram.cの方はソースコード、略してソースやコードとも言うわ。これからは、そう呼ぶからね」

 うーむ、意外とあっけないものだな、と思った。

「では、実行してみて。aって打ってからエンターでいいわよ。あ、後ろの.exeは打っても打たなくてもいいから」


 俺は打ち込んだ。すると、しばらくしてから一行表示された。



C:¥sample>a [ENTER]

立花アカネは、世界一の美少女デス♪


C:¥sample>_



「ほらほら、大成功ー♪」先輩はきゃっきゃっと喜んでいる。

「うっ……突っ込んだら負けな気がする…」


 ともあれ、どうやら最初のプログラムの作成は、成功したようである。


 挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ