オラシオンコード
『ところでこの「オラシオンコード」って何??』
ノエルが首を傾げながら聞くと、シリウスが答えた。
『「オラシオンコード」は最上位に位置するギルドの事よ。現在、その称号を持つのは5つのギルドだけ。私たちも、そこに加わる為に日々頑張っているの。』
『…そうなんですね!普通のギルドとどう違うんですか??』
『そうねぇ…年に1回、王都で開かれる会議で、その年の加入ギルドが選ばれるの。
条件は【国家貢献度】【討伐実績】【被害抑制能力】の3つ。
今、1番その基準に近いって言われてるのが、私たちムーンロードなのよ。』
『そうそう!討伐依頼もどんどん難しくなってくし、すっごい楽しみ♪』
目を輝かせるニーナに、フェリスが苦笑しながら言った。
『ニーナは【不死鳥】なんて呼ばれてるけど、俺たちから見れば【鬼神】だよねー。』
ノエル以外のメンバーは、うんうんと頷く。
『き、鬼神!?そんなに怖いかな、あたし…?』
『いやー、スイッチが入ると1人で突っ走っちゃうでしょ。追いかけるこっちの気持ちも考えてくれよ〜』
と、ヘクターが苦笑いしながら言うと、
『…今後は気をつけますね。』
しゅんとするニーナの頭を、ルナが軽く撫でて笑った。
『まぁ、頼もしいんだけどな?』
『ルナさーん!』
涙目のニーナにルナが優しく微笑みかけたその時。
『『『もう、ニーナを甘やかさないで!!』』』』
フェリス、ヘクター、そしてシエルが声を揃えた。
『後処理が大変なんだからな!?』
『もっと連携、大事にしてよね?』
『ニーナが暴れると、回復魔法の負担が倍になるんだよ!?』
それぞれ口々に文句を言うが、どこか楽しげだ。
『うぅ…ごめんなさい…』
しょんぼりするニーナに、皆がふっと笑った。
『『『ま、それがニーナなんだけどな。』』』』
仲間たちの優しさに、ノエルは思わず笑顔になる。
シエルが変わらずそこに居てくれたこと。
このギルドに自分が迎えられたこと。
そして、仲間たちの温かさが胸に染みてくる――
ノエルにとって、それは何よりも安心できる瞬間だった。




