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カレンデュラ  作者:
聖女と少年
41/42

沈黙の鐘楼 2

遠くの空が突然、柔らかな光で満たされ始める。

光は一瞬で渦を切り裂き、暗雲を押し退けていく。大地の端から光の奔流が広がり、森や村の影を優しく照らした。


『あれ……光……?』

ノエルの目に映るのは、黒く禍々しい空を裂く、一筋の輝き。空のうねりは徐々に消え、暖かい空気が村を包む。


『魔香炉は……閉じたか』

ヴァルティスがノエルの手をギュッと握りしめ、静かに呟く。


『ノエル。もう大丈夫だ。村に戻ろう』

そう言い階段を降りようとした時──


『ねぇ。父さん。馬車がこっち向かってる……』


ヴァルティスがもう一度外を見やると、一台の馬車が村の方へ走ってきていた。禍々しい気配はない。


『ノエル。馬車の人を村に入れよう』

階段を降り、馬車の方へと足を進めるヴァルティス。


遠くから近づく馬車を凝視すると、懐かしい顔が見えた。


『……レオナール……か?』

どんどん近づく馬車の中、レオナールは血まみれだった。


『レオナール!何があった!』

大声で叫びながら馬車へ駆け出すヴァルティス。


レオナールも気付き、ゆっくりと馬車を止めた。


『ヴァルティス───久しぶりだな』

そこには、かつての勇敢で頼もしい表情はなかった。


『もう喋るな!』

ヴァルティスは両手を前にかざし、治癒魔法を展開する。


【ヒーリングベール】


『無駄だ……もう俺は……長くは……ない……エリ……シアと……娘を……シエルを……助けて───』


レオナールは手綱を静かに離した。ヴァルティスは目の前で旧友を失う痛みに胸を抑える。


ノエルは馬車の後ろを覗き込み、血だらけで眠る女の子と、母親を見つける。


『父さん。こっち!……』


ヴァルティスは少女と女性の前に手をかざし、魔法を唱える。


【ヒーリングベール】


少女の顔は少しずつ赤みを帯びていき、安堵の息を吐く。しかし、母親の胸の傷は塞がらなかった。


『この子は……シエルは……助かる?』

不安げに尋ねるノエルに、ヴァルティスは涙を拭いながら微笑んだ。


『あぁ。傷も浅く、眠っているだけだ。時期に目を覚ますだろう。ノエル。今日からこの子も私達の家族だ』


『わかった……』

二人はレオナールを荷台に乗せ、村へ向かって馬車を走らせた。

お久しぶりです(*^^*)

なかなか続きが書けなくて...

頭の中では出来ていても言葉にするのは難しいですね。

待たせてしまいすみません。

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