再開 4
風呂を出てボーッと考えるノエル。
『今から....一緒に寝るんだよな。
いや待て、無理だろ。俺の理性、大丈夫か...?』
『ノエル〜♪おまたせ〜!』
風呂から出てきたシエルは、ふわふわ素材のうさぎ柄パジャマ姿。手足がすらっと覗くその姿にノエルは思わず息を呑んだ。
(....やば。可愛すぎる。)
飛びかけた理性に追い討ちのように、シエルがニコニコと言う。
『さて。明日も早いしもう寝るよ〜♪おいで。ノエル〜♪』
布団に入ったシエルは、横を1人分開けて隣をポンポンと叩いて呼びかける。
(本当に、俺大丈夫か...?)
『.....お邪魔します。』
『えへへ。ノエル〜♪』
そう言って、シエルは自然に抱きついた。
(....無理だって、これ。)
『...ごめん!!シエル。やっぱり俺....ってシエル??』
振り向くと、シエルは幸せそうな顔でもう眠っていた。
スーッと寝息がノエルの頬にかかる。
ノエルはそっとシエルの額にキスを落としてみたが、シエルはまったく起きる気配がなかった。
(...こんなに無防備に寝られるなんて...)
ふとノエルの脳裏に初めて出会った頃のシエルの姿が浮かぶ。
傷だらけでボロボロで...俺が隣で寝ても安心して眠れるようになるまで時間がかかった。
(1人だから心配してたけど昔のように戻ってなくて本当に良かった...)
今、隣で微笑んで眠るシエルは、穏やかで、優ししくてーーー
ノエルは悶々とした思いを抱えたまま、気付けば朝を迎えていた。
***
『...エル!ノーーー!エル!』
『...シエル??』
『起きてー!ノエル♪朝ごはん作ったよ〜♪』
『...待って。もう少し寝かせ...』
『ダーメっ。今日はギルメンに会うんだから♪』
『さっ。ご飯食べるよ〜♪』
(...俺さっき寝たばっかなのに..)
眠い目をこすりながら、ノエルはシエルに言われるままイスに座る。
目の前に並べられる色とりどりの料理が並んでいた。
『..これ全部シエルが作ったの??』
『あったり前じゃん♪この2年で色んなもの作れるようになったんだよぉー。さっ食べよ??』
『『全ての恵みに感謝し、頂きます。』』
ノエルは1口目を運んで、思わず目を見開いた。
『...うまっ!!!』
(シエルと一緒に住むと毎日この料理が食べれるって...幸せだな。)
『気に入って貰えて良かったよ!』
『シエル。ありがとう。』
ノエルは朝日が差し込むキッチンでそう呟いた。
こうして二人は食事を終え、身支度を整えてーー
ギルメンたちが待つギルドホームへと向かっていった。