青色のカレンデュラ
すみません。なかなか体調戻らず...
もう少し不定期で更新させてもらいます。
読んでくれてる人申し訳ないです。
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馬車が静かな路地へと差し掛かる。
石畳の上で車輪が控えめに音を立て、街のざわめきも遠のいていた。
『見えた!あの家です!』
アルの声に、みんなが顔を上げる。
そこは一見、何の変哲もない普通の家だった。
唯一の目印は、玄関先に置かれた植木鉢──青く染まったカレンデュラの花が静かに咲いている。
『……ごめんくださーい』
馬車を止め、不安げな声で呼びかけると、扉がわずかに開いた。
中へ入ると、そこには椅子に座って待っているルナとヘクターの姿があった。
『あの子の様子は!?』
焦ったように駆け寄るニーナに、ヘクターが少し顔を伏せて答える。
『……まだ、なんだ』
ルナは視線を前に向けたまま、落ち着いた声で続ける。
『奴隷紋が……完全には消えないらしい。たとえ消せたとしても、効果は一週間程度しか保たないそうだ』
『そんな……』
ニーナは言葉を飲み込むように肩を落とす。
『ユリオスさんによると、とりあえず一週間は普通に生活できるように処置してくれてる。洗脳も、奴隷紋が消えれば一時的に解除されるみたい』
その時、奥の扉が開き、ガチャリと小さな音を立てて一人の男が姿を現した。
『お待たせしました。あの子の処置はひと通り終わりました』
現れたのは、どこか落ち着いた雰囲気を持つ男──ユリオスだった。
彼の姿を見るなり、ニーナは思わず駆け寄り、問いかける。
『ユリオスさん!……永遠に奴隷紋を消すことは、やっぱり無理なんですか!?』
ユリオスは目線を伏せながら、静かに答えた。
『申し訳ありません。僕ではまだ完全に封印することはできません。……でも、僕に封印術を教えてくれた師匠なら、きっと』
その言葉を聞き、ヘクターが前のめりに詰め寄る。
『その師匠って……どこにいるんだ!? 連絡は?』
ユリオスは少し困ったような顔を浮かべながら答えた。
『……実は、18年前から行方が分かっていないんです』
『行方不明……?』
『はい。ずっと探してるんですが、手がかりがなくて……』
一瞬、場に沈黙が落ちる。
その中で、ノエルがふと前に出て、口を開いた。
『……その、師匠の名前を教えてもらえますか?』
『えぇ。──ヴァルティス様という方です』




