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カレンデュラ  作者:
聖女と少年
23/42

初任務 4

『お久しぶりです、ベクトルさん。』

ルナが挨拶をすると、ヘクターも黙って頭を下げた。


『改まらなくていいよ、ルナ。今回は依頼を受けてくれてありがとう。さぁ、こちらに……』


二人が足を踏み入れたのは、木の温もりが残る小さな応接室だった。

壁には古びた地図がかかっており、中央の丸テーブルの座った。


ルナが静かに頭を下げる。横にいたヘクターも、それに倣って深くお辞儀をした。

かつては刺々しさの残る鋭い目をしていた彼女が、今は肩の力を抜いたような穏やかな笑みを浮かべていた。

『顔付きが少し…変わったな。』


ベクトルが微笑みながら言うと、ルナは少し照れたように目を逸らしながら答えた。

『そう……かな?』


『あぁ。昔はもう少し険しい顔をしていたよ。ギルドを持って逞しくも優しい顔になったな。』


頭を撫でて褒めてもらい、ルナの顔は笑みで溢れた。


『今回の荷物なんだが....高級酒数十本、火山鳥の加工肉、魔法石...それに薬草と野菜が数種類。この荷物の護衛を頼みたい。

こちらから運転手は2人用意する予定だよ。』


ベクトルの後ろにいた若い青年二人をこちらに呼んだ。


『初めまして。ヘクターさん。僕はアル。こちらはルコンです。話はベクトルさんから聞いています。今回はよろしくお願いします。』


アルは少し緊張してるのか硬い表情で挨拶をした。


『そんな緊張しなくていいぜ!こちらこそ、よしくな!』

ヘクターは大きく笑いながら手を差し出した。

少し戸惑ったあと、アルはその手をしっかりと握り返した。


『ありがとう。』

緊張が解けたような表情で、アルはほっとしたように微笑んだ。


『出発時刻は10時に王都南門の前でお願いします。

護衛人数は七人聞いてますが間違いないでしょうか?』


『あぁ、間違いないぞ!』


ヘクターが元気に答える。


『わかりました。では僕たちは失礼します』


アルとルコンは深くお辞儀をし、談話室から出ていった。


アルとルコンが去ったあと、ルナは扉の方を見つめながら、呟いた。


『......無事に住むといいけど』


ルナの言葉に、ヘクターは小さく笑った。

『大丈夫だろ。ルナがいりゃ、なんとかなるさ。』


その言葉に、ルナもわずかに笑みを浮かべた。


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