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カレンデュラ  作者:
聖女と少年
21/42

初任務 2

食材も買い揃え、ギルドに戻ると、向こうからフェリスとシエルが歩いてきた。


ニーナとノエルの髪型に気づいたシエルが、ぱっと笑顔になり駆け寄る。


『わぁ!ニーナ、ノエル!二人とも似合ってる!』


『えへへ。いいでしょー♪ノエルの入団祝いにプレゼントしたんだ〜♪』


ニーナがそう答えると、シエルもにっこり笑って見せた。


『ふっふっふ。実は....私とフェリスからもプレゼントがあります!』


そう言って紙袋をノエルに手渡した。


袋を開けると、中にはシンプルなデザインのブレスレットが入っていた。


『これはね、ノエル。魔力が少し上がるアイテムなんだよ。気に入ってくれた?』


フェリスが優しく問いかける。


『ありがとう!シエル。フェリスさん!』


ノエルは嬉しそうに、ブレスレットを右腕につけた。


その姿を見た二人は顔を見合わせ、『やったね!』とハイタッチを交わす。


『ノエル。俺の事はフェリスでいいからね』

優しく微笑むフェリス。


ノエルは、今朝のフェリスの表情がどう言う意味だったんだろう。と思ったがあまり深く考え無いことにした。


『よし。みんな揃ったから、今から荷物の確認と作戦会議するよ!』


ルナの声に皆んなが頷き、ギルドホームの中へ入り、テーブルを囲んだ。


『回復薬と異常治療薬をみんなに配るね。ノエルは多めに渡すから安心して!

後は──魔道ランタン、簡易結界石、魔法地図と通信用イヤリング。他に足りないものはないかな?』


シリウスが確認しながら、それぞれに配ってるいく。


初めて見る通信用イヤリングに、ノエルは興味津々でじっと見つめた。


それに気づいたシリウスが、ふふっと微笑んで声をかける。


『ノエル。まず耳につけてみて?』

『はい!』

ノエルは右耳にイヤリングを装着する。


『うん、いい感じ。それじゃあ、一度ホームの外に出てみて?』


『わかりました!』


ノエルが扉を閉めて外に出ると、すぐにイヤリングから声が聞こえてきた。


「おーい!ノエル聞こえる?」


『はい!聞こえました!』


「よかった!これはね、離れていても会話ができる魔道具なの。戦闘中に離れても通信できるし、魔法地図にみんなの位置も表示されるよ。もう戻ってきて〜』


ノエルは扉を開けて中に戻り、再びテーブルについた。


荷物をバックに詰め終えたタイミングで、シリウスが改めて説明を始める。


『今回の任務は、商人の護衛。荷馬車に同乗して、一人が運転手と共に荷馬車を引きます。出発は夜10時、到着予定は明け方6時頃。

途中、2時間の休憩があって、その間に運転手を交代する予定。その際には簡易結界石を使います。』


皆んなが真剣に耳を傾ける中、シリウスは続けた。


『護衛の順番は──シエル、フェリス、ノエル、ニーナ、ヘクター、ルナ、私の順番で交代し、出発したらシエルに"スリープベール"をかけてもらう』


『“スリープベールって??』

ノエルが尋ねるとシリウスが答えた。


『この魔法はね、一人ずつ指定した時間までぐっすり休めるように、ふわっとした魔力のベールで包むの。

例えば、フェリスは最初の1時間。ノエルは次の1時間...って感じに順番に眠れるようにね。

起きる時間になると、優しく魔力が解けるように目が覚めるんだ。すごく気持ちよくて疲れも取れるよ。もちろん!万が一の襲撃時には自動解除されるようになってるから安心してね』

一同が頷くと、今度はフェリスが口を開いた。


『戦闘時の配置についてだけど───ヘクター、ニーナ、ルナが前衛。ノエルはまだ動きが未知数だから、シエルとシリウスと一緒に中衛へ。俺が後衛に入る。これでどうかな?』


『いいと思う。その布陣で行こう!』


ルナが頷いて指示を出す。


『じゃあ───フェリスとシエルは仮眠を取って。シリウスとニーナはお弁当作り。ノエルはそのお手伝いをお願い。ヘクターは私と一緒に商人との打ち合わせに行こう』


ルナのその言葉で、それぞれ動き出した。


ノエルの胸の鼓動は、まだ高鳴ったままだった。

───初めての任務に、期待と緊張が入り混じる。

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