再会...2
2人は離れていた間の話を沢山した。
まるで時間を埋め合わせるように....
『本当...良かった。ノエルがノエルのままで...』
シエルはそう言って、微笑んだ。
......けれどその目には、静かに涙が溜まっていた。
『シエル....???』
『本当はね、村を出る前日の夜、いっぱい泣いたんだ。お母さんお父さん、それにノエルと離れて暮らすのが不安で.....。1人で旅立つのが怖かったの。....だから、手紙でしか言えなかったの。帰る勇気も、無かったの。ノエルには寂しい思いさせて、ごめんね?』
シエルの瞳から、大粒の涙が頬を伝う。けれどその表情にはどこか安堵の色が浮かんでいた。
微笑みながら、ポツリポツリと心の内を語り始める。
『毎回ノエル達からの手紙が届く度に何度も何度も読んで泣いてたんだ。帰りたいな。ってずっと思ってたの。』
『じゃあなんで...帰ってこなかったの?ずっと待ってたのに....』
『...帰ってきたら、きっとまた帰れなくなっちゃうと思ったの。ノエルと一緒に過ごす時間が幸せすぎて......お母さん達にその時間を分けてあげたいって、思ったんだ。
言い訳だよね...私ワガママだね。』
『....そんなの俺たちも一緒だよ。いつもシエルからの手紙を心待ちにしていて3人で何度も何度も読んだんだよ...みんな会いたくて...
だから俺家を出る時に父さんと母さんに約束したんだ。俺がシエル連れてきてあげる。って。そしたら2人とも泣きながらありがとう。だって。』
『そう...なんだね。でもノエルと一緒なら帰る時も怖くないから安心だよ。ありがとう。ノエル。』
そう言ってシエルの顔は笑顔になった。
『さてと。もうそろそろ家に帰ろっか♪
ノエルと一緒にお風呂入って一緒に寝るんだぁ♪』
『...シエルさん??ちょ、俺もう子供じゃないってば!!』
『.....ってシエル”さん“?なんで敬語!?』
『ち、違うし!なんか照れただけだし!!』
ノエルの顔は真っ赤だった。
『えぇーーー。楽しみにしてたのに...ダメ??』
『っ!!!ダメ!!!!』
『ちぇーーー。じゃあ一緒に寝るのは...?』
『そ...それも...』
『....だめ...なの??』
『....あぁ!もう!!じゃあ一緒に寝てやるよ!!』
『本当!?やったぁ!!』
『はぁ.....』
シエルはすごく嬉しそうに。
ノエルはもう顔から火が出るかのように赤く染まっていた。
『ふふふっ。ノエル大好きー♡』
ノエルに笑いながら抱きつくシエルに俺は心の中で叫んだ。
【俺の気持ちも知らないで!!!!!】
『もう。分かったから……』
そういい2人酒場を後にし光輝く夜空を見上げながら家路についた。
シエルとノエルは一緒の家で姉弟のように幼少期を過しました。
理由や過去はまた少ししてから書こうと思っています。