教会 2
そこには──フェリスが立っていた。
『...なんで、ノエルがここにいるの??』
『フェリスさん!?どうしたんですか!?』
驚くノエルの後ろからシエルが顔を出す。
『あ!フェリス!迎えに来てくれたの?ちょっと中で待っててね〜!』
『......お邪魔します。』
部屋に入ったフェリスは、もう一度ノエルの姿を見て口を開く。
『それで...なんでノエルがシエルの家に??』
『えっ......シエルが、泊めてくれてて...』
『泊まってる、って......』
フェリスの声が少し低くなる。
『ノエルが慣れるまでは一緒に住むつもりだよー♪部屋も空いてたし、昔から一緒だったからね♪』
『でも......』
フェリスは何かを言いたげに口をつぐみ、俯いてしまった。
(なんか....変な事言ったかな?私...)
シエルは不思議そうに首を傾けるが、フェリスは何も言わなかった。
『....あ、そうだ。シエル、神父様が今日、花束4つ用意して欲しいって。種類は任せるって言ってたよ。』
『わかった!じゃあ。今から行こうか!
ノエル。戸締りお願いね♪』
『お、おう.....』
そう言ってシエルとフェリスは部屋を出ていく。
玄関に残されたノエルは、扉の前で少し複雑な気持ちを抱えていた───
*****
『ねぇー...フェリスってキス....した事ある?』
花屋へ向かう道すがら、シエルふと問いかけた。
『キ、キス!?何でまた...』
少し戸惑いながらフェリスは聞き返した。
『ほ、ほら。私恋した事ないからどんな感情なのかな?って気になって...』
少し戸惑いながら俯いてフェリスが答える。
『どんな感情って....大切で、誰にも取られたくない。その人の事を幸せにしたい。って思う感情、か..な??』
『そ、そうなんだ!フェリスはそんな人...今いるの?』
俯いたフェリスの顔を、シエルは小さく首を傾け、覗き込む。
その姿にフェリスの心臓がドクン。と跳ねた。
『そ、それは...いる。かなーー...』
『フェリスも、恋してるんだー』
少し悲しそうな表情でシエルは言った。
『え..シエル...どうゆう───』
『あ!フェリス!花屋さんに着いたよー!どんな花にする??』
フェリスは戸惑いながら花を選ぶ。
『き、黄色と、青の花束を2本ずつ作ってもらおうか。』
(シエル...さっきのどう言う意味だろ...)
『教会の何処に飾るんだろうね?綺麗な花束が出来るといいなー。』
微笑むシエルに
『シエルはお花、好きなの?』
シエルは満面の笑みでフェリスに答える。
『うん!すきぃ!』
その笑顔を見た瞬間フェリスの顔にも自然と笑みが溢れた。
『じゃあ。俺が後でシエルにプレゼントであげるよ。』
『ほんと!?ありがとう。フェリスー!』
そう言いシエルはフェリスの手を握った。
シエルさん。いい感じに小悪魔ですね。
幸せな時間は続いて欲しいもんですね。