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カレンデュラ  作者:
聖女と少年
15/42

教会

本日の本編はこちらです⭐︎

夜も深けてきた頃───


『シエル〜〜?しーえ〜る〜??どこーー?』

とろんとした目で、フラフラと歩きながらノエルが呼ぶ声が響く。


少し離れた場所でルナと話していたシエルは、その声に気付き急いで駆け寄る。


『ノエル。どうしたの??』


『シエル〜〜』

ふにゃっとした笑みを浮かべながら、ノエルは唐突にシエルに抱きついた。


『わっ.....!』


その勢いに、シエルの体がたじろぎ、頬がパッと赤く染った。


『......初めてのビアに酔ったみたいだな』

ルナが苦笑を漏らしながら、様子を見守る。


『今日はどうする?帰る?』

『うん......ノエルもだいぶ酔てるし、連れて帰ろうかな。』


『ノエルは、シエルの家に?』

ルナが少し意外そうに目を見開く。


『うん。慣れるまでは、と思って。一緒に暮らしてた時もあったし、部屋も余ってるから。』


『......そっか。気を付けてね。皆には言っとくよ。まだ飲んでるしーー』


ルナがテーブルに目をやると、残った仲間たちが陽気に笑い合い、盛り上がっていた。


『ルナさん。ありがとう。じゃあ、お先に!』


そう言ってシエルはノエルの手をとり、軽く引っ張って歩き出す。


その後ろ姿を、フェリスはちらりと横目で見ていた。


『シエル〜〜。シエル〜〜♪』

帰り道、ノエルは何度もシエルの名前を呼び、ご機嫌な様子で笑っていた。


『はーい。どうしたの、さっきから?』

『えへへ〜。シエルが隣にいる〜♪』

『はいはい。...ほら、お家についたよ』


二人は玄関のドアを開けて、静かな部屋へと入る。


ノエルはむにゃむにゃと呟きながら、ふわりとシエルの後ろをついていく。

そして、上目遣いで腕を上げると、まるで「着替えさせて」と言ってるようだった。


『....もう、しょうがないなぁー』

シエルは小さく笑いながら、そっとノエルの上着に手を掛ける。だがーーー


『シエル、だいすき』


服を脱がせた瞬間、ノエルは抱きつきながら頬にキスをした。


『っ.....!?』



突然の接触に、シエルの顔が真っ赤に染まる。



『ノ、ノエル!?ちょっと、着替えさせられないよ!』

焦りながらもノエルを引き離そうとした瞬間ーーー


『....シエル....』

ノエルはそのまま、すぅっと寝息を立て始めた。


『......も、もう.....なんなのよ.....』

頬に残るあたたかさと、胸の鼓動の速さに戸惑いながら、そっとノエルをベッドへと運ぶ。


(ドキドキが....止まらない....

あれは酔ってただけだよね?でも....

ノエルの声も、体温も....いつもと違って感じた)


ぼんやりそんなことを考えているとーー


『......っ!?』


突然、後ろからノエルの腕が伸び、シエルの腰をギュッと抱きしめる。



『ノ、ノエルさん!?....寝てる....』


動かそうとしても、腕は意外としっかり締まっていて離れない。


(もーーー!これじゃ、眠れないよ.....!)


******


ーーー真っ白な世界。

ノエルは、一人ポツンと立っていた。


「こ、ここは?」

辺りをみまわしていると、どこからかシエルの声が聞こえてくる。


「ノエルーー助けて....」


「もう...嫌だよ....」


振り向いても、シエルの姿は見えない。


「どこなの!?シエルーー」

必死に探し走ると、ようやく前方にその姿を見つける。


「シエル!見つけた!」

そう声をかけた瞬間、シエルが振り返った。


「ノエル....ごめんね...」


涙を流しながら、消えていくように霞んでいくーー


『シエルーーー!』

叫んだ瞬間、ノエルはベッドの上で飛び起きた。


『何!?どうしたの!?』


キッチンから駆け寄ってきたシエルの顔を見て、ノエルはほっと息をつく。


『...?夢....か。あれ?』


目元に触れると、指先がしっとりと濡れていた。



『ノエル...怖い夢、見たの?』


『.....うん。夢で良かった...』


『初任務が始まるから、緊張してるのかな?さっ!今日もご飯できてるよー!』


明るく笑うシエルに、ノエルもようやく微笑んで頷いた。


『昨日ノエルが気に入ってた精霊果が家に少しあったから今日はヨーグルトに入れてみた♪今日はマシュマロパンも焼いてあるよー!』


『......毎日ありがとう。シエル』


『『全ての恵みに感謝し、頂きます。』』

二人は手を合わせ、静かに朝食を始めた。


『......ねぇ、ノエル...きっ、昨日の事って...その、覚えてる?』

頬を少し赤くし、上目遣いでシエルが聞いた。

『昨日?皆と会って美味しいご飯食べて....それから....』

そこしか考えてると

シエルが体を乗り出した。


『それから!?』


『それから...どうやってここに帰ったんだっけ?何となく手を引っ張ってくれたのだけ覚えてるけど...』


『....覚えてないんだ...』

少し寂しそうな顔のシエルにノエルが声をかけようとした時ーー


ピーンポーン

インターホンの音が鳴る。


『ごめん!ノエル!出てくれる??』


『あ、あぁ...』

(俺なにかした.....?)


玄関の扉を開けると、そこには───

シエルが少しずつ自分の気持ちに気付きつつある...

初々しい初恋をうまく表現できるように頑張ります!

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