9.女のあざとさ
「チッ!絶対落ちたと思ったのに!」
ほらみろこれが本性だ。
「君、何がしたかったの?高位貴族のしかも婚約者がいる相手と結婚できるとでも?」
「あんた・・・確かジェネ達と一緒にいた・・・
すました顔で何考えてるかわからない固い女より、可愛くてちょっとお馬鹿な女が可愛いでしょ!」
「いや。全然。平民ならいいけど、貴族でしかも高位貴族ほど表情も取り繕えない馬鹿な女はいらない」
「でも皆マリアのこと可愛い可愛いってもてはやしたじゃない」
「でも振られただろ。遊び相手にはよくても本命にはなりえない」
「デレデレしてたじゃない」
「そらまあ皆そんなにベタベタ引っ付いてくる女に免疫無いから。貴族令嬢は男性とは一定の距離を保つのが当たり前。そんなの子供でも知ってる常識、マナー。家で習わなかったの?」
「・・・」
「何にしてももう君、令嬢としての人生は終わってるよ」
「うそ・・・」
「当たり前でしょ。誰でも彼でも声かけてベタベタして、たくさんの婚約潰して。家格が合うところでも欲しがらないでしょ。醜聞まみれのご令嬢」
「だって・・・」
「だっても何も無い。自業自得。まあこれからどう生きるか考えなよ。誰も教えてくれないだろうし最後の忠告だ。もう婚約者がいる人間に近づくな!人の幸せを壊すなよ!」
泣き出す女。
めんどくせえ。もう知らん。
「メイソン、ノア。見たか?あの女の本性を」
メイソンとノアには隠れてあの女の醜さを見させていた。
「「怖い」」
「だから言ったのに」
「あんな女に騙された自分も不甲斐ない」
「そうだな。君たちの婚約者に感謝しないとな」
「ああ。これからは間違えない」
「お前はすごいな。全く引っかからなかった」
「当たり前だろ。俺婚約者がなにより大事だし、誰よりも可愛いと思ってるんだから他の女を見ようとも思わない。それにあんな女は見ればすぐわかる」
がっくりと首を落とす2人。
俺は女の生態には普通の人間よりは詳しい自信がある。
今世は兄しかいないが、前世では姉が2人に妹が1人と女に囲まれて育ったからだ。
姉も妹も女の武器をこれでもかと利用していた。
ある意味彼女達は努力をしていたとも言えるだろう。
友達がかわいい女性像をそれぞれに作り上げているのをみて、そんな女はいない。
幻でまやかしだ。
トイレもするし、体毛も生えるし、常にいい匂いな訳でもないし、弟(兄)がいる前でも平気で下着姿で歩いてるし、自分がどう可愛く見えるか計算して行動してるんだぞ!と心の中で思い続けていた。
ラノベ関係でよくある、『馬鹿な令嬢に引っかかる王子』こんなのに引っかかる阿呆坊はいないと思っていたが
転生した先で、いたー!!!!
ものの見事にひっかかるお坊ちゃま達。
俺は女性には癒しを求めたい!馬鹿な女じゃないぞ!
ほんとうに可愛い女性はたくさんいると思います。
あくまでマイロの個人的感想です!