4.さあ皆でやってみよう
セイン殿下に付き添われ謁見の間へ。
そこには国王陛下、妃殿下、ジェネシスの婚約者ノーブル公爵家シャンティ嬢、クインの婚約者グレイス侯爵家エレイン嬢、メイソンの婚約者ハーシャー伯爵家カイリー嬢、ファイブラス侯爵家メーガン嬢
それからご令嬢のお父上方と勢ぞろいしていた。
最敬礼にて国王陛下にご挨拶。
子爵家の次男ごときが陛下にお会いする機会なぞデビュタントぐらいだ。
「面を上げよ。そなたがマイロだな」
「はい。コモン子爵家が次男マイロと申します。国王陛下におかれましては・・・」
「よいよい。謁見の間ではあるが、今日は愚息ジェネシスについて他貴族令息について聞きたいと思いこの場へ呼んだ。ジェネシスの愚行はセインより聞いておるが、友人であるお主の第三者目線での意見が聞きたい。これよりは皆も好きに話してくれ」
「はい。嘘偽りなくお答えいたします」
「そなたから見てアタック男爵令嬢はどうだ?」
「ただの男好きかと」
「ふむ。だが学園の半分の令息は引っかかっておるだろう?こう・・・魅了のようなものを使っているのだろうか?」
「いえ。あれはただのアバ・・・んん・・・娼婦でしょう」
「だが、ジェネシスもクインもであろう?」
「殿下もクインも高位貴族、いわゆるお坊ちゃんですので周りには淑女である貴族令嬢しかいませんよね?そこに礼儀も知らない平民のような娼婦が、手練手管を使ったといったところでしょうか?手練手管といっても初歩的なところでほとんどの令息が落ちたでしょう」
「初歩とは」
と皆が首を傾げている。
「無礼を承知で妃殿下少しお付き合いいただいても?」
「ええ。構わないけれど」
少し離れたところでこそこそと。
「それでは妃殿下これを陛下にしてみていただけます?」
「まあ!わたくしにこんな真似できるかしら?」
「やってみてください」
と妃殿下は席へ戻り、陛下の方へと少し寄り添う。
そして太ももに手を置き耳に顔を寄せ耳元で囁く。
「陛下。わたくし久しぶりに陛下とデートに行きたいわ。ふたりっきりでね」
そして上目遣い!
はい。完璧です。妃殿下。
顔を片手で覆う陛下。
「っっ・・・これは・・・行こう!すぐ行こう!」
「陛下?」
「どういうことですの?」
とご令嬢方。
「結構キますよね?陛下。そしてご令嬢方に今度は実践していただきましょう」
令嬢方を呼んでひそひそ。
「まあ。そんなの子供の時以来ですわ!」
「わたくしは覚えている限りはしたことないですわ」
「やってみますわ」
「うまくできるかしら」
それぞれお父上のところへ。
腕をギュッと抱きしめ。高めの声色で
「お父様、隣国の令嬢ではやっているお茶とお菓子が欲しいんですの。でも中々手に入らなくて・・・」
と上目遣い。
それぞれ手に入りにくいものを選んでもらった。
すると
「「「「任せなさい!すぐに手に入れてあげるからね!!」」」」
と異口同音。