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2.俺わかんない

 それから毎日毎日例の令嬢の話をする友人たち。

それを聞かされる俺。

これ何の時間?


「婚約者との微笑ましい話なら聞くが、別の令嬢との話なんて聞きたくないんだが?」


と毎日繰り返している。


とある日、その令嬢と会わされることになる。

俺は会う気はなかったがうまく誘導されたようだ。


「初めまして!あなたがマイロ?私マリアよ。アタック男爵家の娘よ」

「・・・名前で呼ぶことを許してないのだが?」


おいおい

これのどこが可愛いの?挨拶もまともにできてない。


「まあまあ!マイロいいじゃないかちょっとぐらい」

「良くないから」


「マリア、今日も元気だね」

とクイン。


「クインもね」


とウインクで返す。

いやいや。名前で呼び合ってるの?


「ジェネ、私も一緒にご飯食べていい?」


いやいや!愛称呼んでるし、腕組むの?

行儀作法もなってない。はしたない。


思わず

「アタック男爵令嬢、殿下に馴れ馴れしすぎるんじゃない?」

と言ってしまった。


「学園なんだから身分は関係ないもんね~」

「「「ね~」」」

と。


「だけど、腕組むのは間違ってる。皆婚約者がいるんだ」


「そうだよね・・・」

とうるうるした目で見上げてくる。

いやいや。俺は騙されない。


「マイロ。マリアはまだ行儀作法が完璧じゃないんだ」

は?子供のときに習う最低限の作法だけど?


「そう。俺見てるだけで気分悪いから昼食は別で食べるわ」


気持ちわりぃ。

何あの女。自分がどうやれば可愛いか男が同情するか理解して計算してる。

マジで何がいいの?

俺わかんない。


それからアタック男爵令嬢に傾倒していく男ども。

それも学園中を巻き込みだした。下級貴族から上位貴族まで。

俺は友人たちには苦言を呈し続けた。


「婚約者を大事にしろ」

「婚約者を誰よりも優先しろ」

「婚約者にももう話は伝わってるぞ」

「婚約者に捨てられるぞ」


等々。だが全く響かなかった。

その中でも酷かったのが、王子であるジェネシスとクインだ。


なあジェネシス、お前まだ第一王子殿下なのわかってる?

学園での行動も見られてるんだぞ。

もうお前の婚約者お前のこと見限ってるぞ。第二王子殿下は優秀だぞ。何の醜聞も無い。

お前は・・・



クイン、お前はチャラいやつだったがこんなに酷かったか?お前が好きで選んだ婚約者じゃなかったか?

小さい時から一緒だったって言ってたんじゃないのか?

知ってるか?お前の婚約者めちゃくちゃ傷ついてるんだぞ。もう遅いんだぞ・・・


「マイロ、兄上たちは相変わらずか?」

「ええ。見ての通り」

第二王子のセイン殿下だ。一つ年下で最近はよくジェネシスの愚行を相談する仲になっている。

そんなセイン様は現在婚約者はいらっしゃらない。


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