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18.わたくしとマイロ2

 

 何年経っても幼少期に言われた心無い言葉は案外覚えているもので、思春期に差し掛かった時私以上に可愛くて綺麗な子がたくさんいることに気付きました。


マイロはわたくしなんかで良いのだろうか?わたくしよりいい人はたくさんいるのではなくて?

と思うようになりました。

今思えばマイロに失礼な話であったとは思います。わたくしを好きだと言ってくれているのに、わたくしでいいのかとは。マイロの言葉を信じていないのと同じですわよね。


けれどマイロはわたくしに想いを伝える努力をし続けてくれました。

おかげでわたくしは不安になることなく学園に入る年齢になりました。


学園に入るとわたくしは第二王子殿下と同じAクラスでした。

マイロは1学年上ですけれど、よくわたくしのクラスへと会いに来てくれます。

それを第二王子殿下は呆れたように見ているのですけれど、わたくしはマイロの愛情をしっかり確認できるのですから嬉しいものです。


同じクラスの女性達からは羨ましがられております。

よく聞かれますの。どうやったらあんなに好いてもらえるのかと。


けれど、わたくしはマイロの性格・血筋が大きいのだと思うのです。

わたくしはそれを素直に受け止めるだけ。わたくしもまた思ったことを伝えるようにしております。

と皆様には答えているのですけれど、皆さま中々婚約者の方に素直に想いを伝えることができないのだそうです。

男性側が伝えてくれている女性は、自分からも素直になるとより仲良くなれますわ!と僭越ながらアドバイスさせていただき

何も伝えてくれない男性の場合は、女性からは中々難しいですわよね。とお話を聞くだけにとどまっております。

わたくしもマイロ以外の男性の気持ちはわかりませんし、下手なアドバイスはできませんもの。


わたくしはそんなに取り立てて美しくも賢くも無いけれど、わたくしのことを大事にしてくれるマイロのおかげでで気持ちが穏やかで人と比べて落ち込むことも無くなりました。

学園に入ると、クラスが成績で分かれていることもあり容姿で人を判断して優劣を付けるような人もわたくしのクラスにはいませんでした。

お母様が言っていたように、中身を磨くようにして正解だったのでしょう。

そうしてわたくしは学園で皆様と仲良く楽しく過ごしておりました。


けれど、学園へ入って少ししてから1学年上の令息の様子がおかしいと皆がそわそわするようになりました。

どうやら特に高位貴族の皆様のご様子がおかしいのです。


普段のご様子は存じ上げませんが、それは授業間の休み時間であったり昼食の時間であったりと。

なぜか一人の男爵令嬢を中心に高位貴族の令息様方が仲良くされているのです。

それはどんどんエスカレートしていき、何組かは婚約が無くなるなどということまで起こりました。

その女性はどう考えても高位貴族の男性とどうこうなりたいと思ってらっしゃるのでしょう。

最終的に4人の令息に絞られたのですから。


でもですよ?男爵家なのです。

学園では皆平等だとは言いますが、一応身分は考えて行動するのが暗黙のルール。

学園を出れば平等になんて言ってられないのですから。


やはり女性の目から見ても、あの距離の縮め方は普通の令嬢のそれとは違っており商売女性のようでした。

わたくしは孤児院に行ったりもしますけれど、正直平民の子供でも貴族に対してそんな距離の縮め方は致しません。

つまり、爵位がどうであれ子供の時からマナーを叩き込まれる貴族令嬢であればもっとありえないことなのです。

べったり腕に張り付いた令嬢と学園内を闊歩する令息様方。


そこにはまさかの第一王子殿下までいらっしゃるのです!


しかも皆様、婚約者がいらっしゃるのですよ?



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