閑話.俺とロッティ
たくさんの方に見ていただいて感謝感謝でございます。
マイロの婚約事情及び裏事情諸々はこんな感じです。
コモン家家訓
その一、うちは上流階級ではないのだから身の程をわきまえろ
その二、誰にでも人当たりよく接し将来に備えろ
その三、ビジネスチャンスは逃すな
その四、女性は常に尊重しろ
その五、気に入った女性がいれば唾を付けろ
とまあこんな具合で、物心が付かないうちから家訓を復唱させられコモン家のルールを叩き込まれる。
もはや洗脳である。
その五が明らかにおかしいのだが、コモン家は代々そうやって結婚してきたらしい。
ちなみに爵位に関しても、物心つく前から叩き込まれるので身の程知らずの身分差違いなる恋はしない。
ぼちぼち釣り合う平々凡々な婚約、それがコモン家の男たちである。
父もそうやって母と出会ってすぐ婚約したらしい。
母もよくOKしたよな。と思うのだが、コモン家は今まで誠実で堅実だから今まで婚約に失敗した歴史が無いのだとか。
だから母も安心して婚約に至ったそうだ。父は地味な色味だが整った顔をしているのもポイントが高かったと母が言っていた。
「整った顔にキラキラしい色だと目がチカチカしちゃうじゃない?お父様はねお顔は綺麗だけど色味が落ち着くのよ!」
と微笑んでいた。
そんな母は整った顔、クリーム色の髪にゴールドの瞳でとても目が痛い容姿をしている。
コモン家はほぼ皆落ち着いた色になるのが不思議ではあるが、コモン家と言えば!な容姿になるのでこれまた見ればすぐにコモン家の人間だとわかるのだとか。
それからコモン家は俺を見ればわかると思うのだが、溺愛してしまう血筋のようだ。父と母もとてもとても仲良しである。子供が見ていて気まずくなるくらい。
まあ仲が良いのはいいことだ。貴族なんか仮面夫婦なんかザラにあるからな。
俺も父と母が理想だったのだと思う。
5歳になった俺は、父に領地がお隣のラヴィータ伯爵家へ行くぞ!と言われ付いて行くことになった。
何でも俺と年が近い子がおり、一人っ子で遊び相手もいないから遊んでやってほしいと伯爵様に言われたのだとか。
そして、伯爵家で運命の出会いを果たすのだった。
「ラヴィータはくしゃくけがちょうじょ、シャルロッテともうします」
と舌足らずながらも可愛いカーテシーで挨拶してくれたロッティに俺は一目惚れしたのだろう。
俺と同じの茶色いふわふわとした髪に茶色い瞳、めちゃくちゃ可愛かった!
大人が商談してる間に一緒に庭を散歩したり、お茶をしたりと楽しんだ。
子供だからあっという間に打ち解けお互いに名前で呼び合うようになった。
突然
「わたしおかあさまとにてないでしょう?」
とシャルロッテが聞いてきた。
「いや、顔はお母さまに似てると思うよ」
「でも、めもかみもこんないろ・・・おかあさまといっしょがよかったな」
どうやら伯爵夫人の髪と目の色に似たかったみたいだ。伯爵夫人は金髪にブルーの瞳の派手な美人だ。
「ロッティはかわいいよ。リスみたいでしょ?」
「リス?」
「うん!リスは茶色だけどかわいくない?」
「かわいい」
「でしょう?ロッティは茶色のふわふわのかみもかわいいし、茶色の大きい目もかわいいよ」
「そうかなあ?」
「それにかみはぼくとおそろいだよ?いや?」
「いやじゃない!うれしい!」
とにっこり笑った!
その顔が可愛くて
「ロッティ、ぼくのおよめさんになって?」
と言ったのだった。
「およめさん?」
「そうだよ。お父さまとお母さまみたいにずっとなかよくいっしょにくらすんだよ!」
「おとうさまとおかあさまみたいに・・・いいよ!」
「やったー!さっそくお父さまに伝えに行こう!」
と手をつないで両家父の元へ行った。
手を繋いで父のもとに戻ると、俺の父は訳知り顔で頷いていた。
「どうしたのかな?」
と伯爵様。
「はくしゃくさま、ぼくはロッティとこんやくしたいです!」
「は?何だって?」
「ロッティとこんやくしたいです!」
「ロッティと婚約?まだうちの子4歳だよ?」
「ぼくも5才です!」
「まだ早いんじゃないかな?」
「でもロッティもいいって」
「そうなの?ロッティいいの?」
「はい!」
「大きくなったらロッティは綺麗になってもっとかっこいい人から結婚しようって言われるかもしれないんだよ?」
(今思えばめっちゃ失礼なこと言ってたな義父上)
「いいの!マイロやさしいもん」
「そ、そうか?・・・」
すると父からの援護射撃。
「伯爵、コモン家は一途ですぞ!絶対に浮気もしない」
「確かに。コモン家はそういう家系だ・・・」
「まだ5歳なので、勉強も詰め込んでくださって結構ですし教育もお任せします」
「確かに。適齢期で婿を取って教育するより手っ取り早いか。マイロ君うちは厳しいぞ!ロッティを泣かせたら即婚約破棄だ!」
「はい!がんばります!」
「よし!そしたら早速手続きだ!」
とトントン拍子に話はすすみ無事ロッティの婚約者となったのだった。
その後は教育面でかなり俺は頑張ったと思う。ロッティと一緒に領地経営まで学んだ。
今思うと義父上もよく許してくれたと思う。
教育を詰め込んでもおじゃんになる可能性だってあるのに信頼して領地の経営状態まで教えてくれてたんだから。
コモン家の世間でのイメージ様様である。
ちなみに俺は5歳の時はまだ前世の記憶は戻っていない状態だったから逆にこの世界の5歳児すげー!となったのを今でも覚えてる。
俺に前世の記憶がよみがえったのが10歳の時、たぶん前世で死んだ?のが24ぐらいか?
まあ子供との婚約に記憶がよみがえった当初は驚いたが今世では俺も子供なわけだからして、心方面も年齢に引きずられることもありちょっと大人っぽい10歳になれてたとは思う。
俺の5歳の淡い恋心は前世の記憶が戻っても消えることは無く、今世の年齢と共に優しく育っていったのだと思う。
それが俺とロッティの婚約事情である。
マイロは前世を思い出した時には婚約していたのと、今世の年齢に引っ張られるというご都合なので
●リコンでは無いと一応主張しておきます(小声)
マイロ視点はこれで終わりです。多分。